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歴史博物館の赤煉瓦造三棟は、第一棟は大正3年、第二棟は大正2年、第三棟は明治42年に旧金澤陸軍兵器支廠兵器庫として建設されました。これらはその意匠構造ともに我が国の建築史上で一つの時代を画するものであって、香り高い文化財的建造物です。県では、昭和58年より6年あまりかけて、その復元保存工事を行いました。
第一棟は、建築物内部の主要構造部を鉄筋コンクリート造で置き換える工法が採用されました。旧建築物の外壁である煉瓦壁をそのまま保存し、外壁煉瓦の内側にあった木造架構を撤去して、その代わりに煉瓦壁とコンクリート造壁体を密着させました。これによって、第一棟の外観を何ら変えることなく保存し、不特定多数の来館者を安全に収容しうる建築物として再生させたものです。
第一棟で採用した外壁保存内部鉄筋コンクリート造置換工法は、国立近代美術館分館(旧近衛師団司令部庁舎)等幾つかの例があります。これに対し、第二棟では、内部木構造を残す方策を採りました。つまり、内部に鉄骨造の柱梁組を新たに追加し、鉄骨骨組みと煉瓦外壁を緊結して構造補強を行うものでした。荷重は在来の木軸及び新設の鉄骨架構双方で負担します。
第三棟では、ほぼ完全復元を目指しました。第二棟で採用された、できるだけ既存を残し、必要な鉄骨補強を行うという考えをさらに徹底しました。屋根トラス部材等腐食していたものは、第一、二棟で撤去した木材を保存しておき、それと取り替え、一部に鉄骨補強を用いました。このため、第三棟では、東側妻側及び中央部二階床組の構造がそのままの形状・仕様で保存されることとなりました。
延べ面積 | |
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第一棟 | 2,511.68平方メートル |
第二棟 | 2,647.22平方メートル |
第三棟 | 2,645.98平方メートル |
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