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有形文化財(工芸品)
1合
金沢市出羽町2番1号
石川県立美術館
石川県
本品は、方形の各稜を面取りした被蓋造りの硯箱であり、蓋表の意匠は住吉神社の社頭風景である。錫板を貼りつけた鳥居とその周辺に松、塀などが配され、鳥居の前に一匹の蛙がおり、水辺には岩と様々な貝類が配されている。これらは、研出蒔絵や高蒔絵、切金などの技法を巧みに交えながら、余白を多く取る構図で表現されている。
また、蓋裏には梨地に透塀や社、松などを描き、蓋を返して身の右側に置くと、蓋裏と身の懸子に表された透塀が一直線につながる趣向となっている。身の左側には楓形の銅製水滴と縁沃懸地の硯が納められている。
本品は、余白の多い構図、切金などにみられる精緻な技法の面で重要文化財「小倉山蒔絵硯箱」と類似しており、室町時代以降の京都における五十嵐派の蒔絵作品であり、加賀蒔絵を形づくった五十嵐派の成立期の先駆をなす作品と推定され、加賀蒔絵の五十嵐派成立期を知るうえでの貴重な作品である。
このため、その文化財的価値は高く、有形文化財に指定し、その保存を図ることが必要である。
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