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有形文化財(彫刻)
1躯
七尾市大田町5部74番地
海門寺
七尾市大田町の海門寺は、室町・戦国期に能登の守護であった畠山氏(七尾城主)が建立したと伝えられる、曹洞宗寺院である。
本像は、頭頂部に頂上仏面と10の化仏を配する。天冠台を戴き、地髪部は筋彫とする。耳朶は環状で、首に三道をあらわす。左肩から条帛、両肩から天衣をかけ、裙、腰布をつける。合掌手、宝鉢手のほかに、脇手を備える。右足を上に結跏趺坐する。
平安時代後期の特徴を表す作例で、大ぶりの頭部に、薄めで広い膝を備えるプロポーションは安定感に富む。丈が高く華やかな天冠台や、伏し目がちながら抑揚の感じられる顔立ち、浅く穏やかな中にも、丸みのある衣文と鎬だつ小波を交える膝の衣文の彫法などには、総じて平安時代から鎌倉時代へと移行する過渡期の様相が指摘できる。
構造は、古風な寄木造りで、頭体の根幹部を縦一材から彫出し、両脚部に横一材を寄せ、内刳りを施す。両脇は肩で別材を寄せ、各脇手を矧ぎ付ける。
制作年代は、胎内墨書から保元三年(1158年)に制作されたことが判明しており、石川県内に所在する現状では最古の在銘彫刻である。
このため、その文化財的価値は高く、有形文化財に指定し、その保存を図ることが必要である。
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