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鳳珠郡能登町字真脇33字25番地
能登内浦のドブネ収蔵庫
重要有形民俗文化財 平成10年12月16日指定
わが国の伝統的な木造船は、丸木をくり抜いて造る刳舟系統のものと、挽いた大板を組み合わせて造る大板構造のものとに分けることができる。刳舟系統の代表的な舟が丸木舟で、この形式のものは部分的にくり抜き材を使用する形式へと次第に変化し、各地で様々な形式の舟が造られるようになった。能登内浦地方で用いられたドブネは、船底と側板とのつなぎの部分にオモキと呼ぶ刳り材を用いて造られたもので、刳舟系統から大板系統へと移る過程の造船技法を伝えるものである。
この舟は、最近まで能登町波並地区で鰤の大敷網漁に用いられていたもので、船体は長さ14m、幅2.6mに及ぶ大型のものである。船材は杉材を中心に部分的にアテ材を使用する。木材の厚みは15.6cm、長さも10mを越す長大な木材で作られた頑丈な舟で、他の地域にはみられない規模と構造を持っている。舟は大量の積載が出来るように造られ、曳舟により航行する。
附の船具等は、カラスウデ(烏腕)と呼ばれる独特の腕形を持つ櫓や、櫂などの操船具、網に入った鯨を浜に輸送するための鈎や運搬用の丸太などである。
この資料は、わが国の伝統的な木造船の発達過程を理解する上で貴重なものであり、能登内浦地方の地域的特色を示すものとして重要なものである。
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