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室町時代 秋月等観筆
石川県立美術館 金沢市出羽町2-1
縦 46.0センチ 横 84.0センチ
重要文化財 昭和25年8月29日指定
作品の左上に「杭州西湖之図、於北京会同館作此図、弘治玖年閏三月拾三日」の書き込みがあり、秋月が、明の弘治9年(日本の明応5年(1496))に、中国北京の会同館で描いたことが知られている。
西湖は、中国の逝江省杭州にある著名な景勝地であり、古くから中国画人がよく画題として選んでいる。秋月も、現地で実際に写生もしたのであろうが、この画面構成は、おそらくは中国画から範をとったものと想像されている。西湖の半周を、展開図として写し、それをさらに縮めて画面に収めており、遠景の山や中景の寺院の描写、樹木などの筆法に、雪舟派の特色が見られ、秋月の数少ない作品のうちでの代表作である。
この作品は、かつて雪舟筆とされてきたが、近年の研究では、筆法から判断して、雪舟に学び、延徳2年(1490)に雪舟71歳の自画像を与えられている秋月の作品とみなされている。秋月は、如水宗淵とともに、雪舟に学んだ数少ない弟子の一人で、3年間、中国各地を旅行し、水墨画の技法を修め、雪舟様式を守った画家である。
昭和60年「石川県の文化財」より
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