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冒頭、私から5点報告いたします。
まず1点目、令和7年春の奥能登地域2市2町における営農再開状況についてと今後の対応について報告いたします。スライド1をご覧ください。昨年元日の能登半島地震では、奥能登2市2町を中心に、農地で甚大な被害が発生しましたが、関係者の努力により、応急復旧等を進めて、昨年春には何とか地震前である一昨年の8割にあたる2,100haで営農を再開できましたが、9月の奥能登豪雨によって、河川の氾濫などにより、約400haの農地に土砂や流木が堆積したほか、約90キロの用排水路や、約150カ所の取水施設に土砂が堆積して、さらに甚大な被害が発生いたしました。豪雨災害の後、営農再開への大きな影響が懸念されましたが、少しでも多くの農地で営農再開ができるように、昨年11月末、穴水町のJAのと本店内に設置いたしました奥能登復旧・復興センターが中心となって、農業者や建設業者と調整を図り、土砂や流木の撤去、水路の啓開など、農地や水路などの復旧を精力的に進めて、約170haが復旧できる見込みとなりました。その結果、現時点において、令和7年の営農再開面積は、2,000haの見込みとなりました。
スライド2をご覧ください。今後も、不作付地の解消に全力で取り組んでいく必要があるので、今春の水稲作付け後も引き続きこれまでの取り組みに加えて、麦やソバなどの作付を促して、さらなる営農再開面積の上積みを図ります。あわせて、復旧には相当の期間を要することから、農業者の経営支援など、生業再建に向けた取り組みを加速化させます。主な取り組みとしては、農地の復旧までの農業者の経営支援として、農家の収入確保を図るため、農家が自ら復旧工事を行う直営施工に係る説明会開催などの支援。また、代替農地での営農再開時の地代など掛かり増し経費に対する支援を行い、また、被災した農林水産業用の機械・施設の修繕・再取得の支援。そして、労働力不足解消に向けた農業機械のオペレーターや、農林水産業ボランティアの被災地への派遣などを推進してまいります。この農林水産業ボランティア、本当にありがとうございます。今までの実績を申し上げると、水路の泥上げ、草刈りなどの場で2,600人強の方に参加していただいております。本当にありがとうございます。
スライド3をご覧ください。東京国立博物館による訪問事業であります。地震や豪雨で被災された方々を文化の力で応援するため、東京国立博物館をはじめ、在京の美術館や博物館が所蔵する名品を集めた復興支援特別展「ひと、能登、アート。」を今年11月から石川県で開催いたします。この特別展の関連事業として、能登の復興支援と、子どもたちの地域文化を守る心を育むため、東京国立博物館が、七尾出身の絵師・長谷川等伯の国宝「松林図屏風」の複製品を活用した訪問事業を実施いたします。応募のあった輪島市、七尾市、志賀町の計16校で、東京国立博物館の職員が9月から訪問事業を実施してくださることとなりました。ありがとうございます。訪問受業では、国宝「松林図屏風」の高精細複製品をじっくり見た後に、スタンプなどを活用して自分だけの屏風を作る体験や、作品を見て感じたことをみんなで対話しながら鑑賞するプログラムなどが予定されております。県としても、今回の貴重な訪問受業をきっかけに、子どもたちが長谷川等伯について理解を深めるとともに、地域の文化に愛着を感じていただきたいと期待しております。
スライド4、のと里山空港を活用した夏休み親子向け「震災を学ぶ旅」について報告します。このツアーは、石川県、旅行会社クラブツーリズム、子どもの学びをサポートするGakkenの3者が連携して実施いたします。首都圏の子どもたちが能登の各施設を巡りながら、被災地の現状や復興の過程を学んでいただくものであります。近年、全国で地震などの自然災害が頻発する中、防災教育の重要性が高まっております。このため、県としては、能登への夏休み旅行を通じて、首都圏の親子に災害からの教訓を学んでいただくほか、今行ける能登を首都圏の皆様に発信したいと考えております。ツアーは、クラブツーリズムが本日4月17日から販売いたします。夏休みの7月から8月にかけて計7回、1泊2日で実施いたします。具体的な内容としては、のと里山空港に到着して震災の説明を聞いて、その後、黒島漁港の海岸隆起をご覧いただくほか、能登金剛の遊覧船では、当時の津波被害の状況や、復興のプロセスについて聞きます。また、コスモアイル羽咋やのとじま水族館など、子どもたちが楽しめる施設も盛り込んであり、今行ける能登を直に感じていただきたいと思います。Gakkenは事前の現地取材も踏まえて、震災について学ぶことができる教材として、震災学習プログラムの冊子を作成するそうです。参加者は能登を巡りながら、冊子に感想を記入するなどして、自由研究を完成させることが可能であり、このツアーを通じて、被災地の現状や復興の過程を学んでいただいて、加えて、夏休みの自由研究の宿題もできるというようになっています。この震災を学ぶ旅を通して、多くの方に災害からの教訓を学んでいただくとともに、のと里山空港の利用促進を図ることで、能登の復旧・復興を後押ししてまいりたいと思います。
スライド5、いしかわ動物愛護センター開所1周年の報告をいたします。いしかわ動物愛護センター、通称しっぽのかぞくが1周年を迎えました。開所以降充実した施設や設備を活用して、ボランティア団体の皆さんとも連携しながら、動物とのふれあい教室など各種イベントを実施し、センターにはこれまで約3万人の方々にご来所をいただきました。ありがとうございます。また、センターでは、保護した犬や猫の治療や訓練にも取り組んでおりますが、能登半島地震や奥能登豪雨によって被災し、飼えなくなった方や、被災によって飼い主と離れ離れになった犬や猫もいたことが影響し、約480頭を保護しました。そのうち、395頭の犬や猫を新たな飼い主へ譲渡することに繋げました。これは譲渡率約8割でありますが、現在の統計方法となった平成22年度以降で最多であります。ご協力いただいた皆さんに感謝申し上げます。あわせて、センターに併設した北陸最大級の規模のドッグランも これまでに約2,000件の方々にご利用いただいておりまして、非常に好評です。広いのでのびのびと犬を走らせることができる。また、雨のときも屋根があるので利用できて良いというお声を寄せていただいております。令和7年度も引き続き、多くの県民の皆様にご利用いただけるように取り組んでまいります。
スライドスライド6、いしかわ動物愛護基金の設置です。4月1日から、ふるさと納税専用ポータルサイトや、県ホームページ、県庁、東京・大阪事務所で募集を開始しており、石川県の動物愛護の取り組みに賛同いただける県内外の方々から広く寄附を募っております。基金を活用した事業ですが、1 飼い主のいない猫の不妊去勢の推進など引取数を減らすための取り組みや、2 虐待を受けた犬や猫を人に慣らす訓練など譲渡の推進に繋がる取り組み、3 動物愛護の推進を行うボランティア団体の活動支援、こうしたことを想定しております。今後、市町や獣医師会、ボランティア団体などの関係者の方々のご意見をお聞きしながら、この動物愛護基金を活用する事業を検討してまいります。 最後、兼六園デジタルアーカイブの公開について報告します。
スライド7をご覧ください。兼六園は昨年5月7日に一般開放から150年の節目を迎えて、御庭印の販売など、年間通して様々な記念行事を開催してまいりました。その記念行事の一環として、県で所蔵・管理する古い絵はがきや写真、映像などをデジタル化し、本日からウェブで公開いたします。具体的には、明治から昭和時代の兼六園が描かれた絵はがきや、写真のほか、ニュース映像などで、その一端しか見ることができなかった樹木の剪定や雪吊り作業などの様子を動画で紹介いたします。このデジタルアーカイブには、スマートフォンの地図上から園内各施設の当時の写真などを検索できる機能を設けております。兼六園を訪問していただいた皆さんが、現在と過去の姿を見比べながら、園内の散策を楽しむことができるように工夫いたしました。まもなくゴールデンウィークも始まりますが、こうしたデジタルアーカイブも活用しながら、県内外の皆さんに、兼六園の価値や魅力を発信していきたいと思います。
私の冒頭の報告は以上です。
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