議案説明要旨（平成25年第3回県議会定例会） - 平成25年9月10日 - 「競争力ある元気な産業づくり」について

◎9月補正予算の編成について

2.「競争力のある元気な産業づくり」について

第二は、「競争力ある元気な産業づくり」についてであります。

最近の本県経済は、先程も申し述べたとおり着実に持ち直しており、県としては、当面の地域経済の下支えのみならず、次世代産業の創出や産業活動の礎である人材の育成・確保など、本県産業の発展に向けた基盤づくりに取り組むことも必要と考えております。

こうした中、新たな産業振興指針の策定につきましては、産業界や高等教育機関等の代表者で構成する産業成長戦略検討委員会のもと、機械・繊維・食品・ITの本県の基幹四業種の部会に加え、業種を横断する課題である人材及び国際展開をテーマとする部会を設置し、それぞれの課題や今後の方向性などについて個別具体の議論を精力的に行っている ところであり、引き続き、幅広い観点からご議論いただき、本県の成長戦略にふさわしい指針を策定したいと考えております。

また、この成長戦略を踏まえ、基幹産業の成長を促進する人材の育成・確保を図る本県の取り組みが国の大型プロジェクトに採択され、平成二十七年度までの三年間で最大約八億円の財政支援を受けられることとなりました。初年度である本年度は、事業の周知や企業ニーズの把握などに取り組み、来年度以降のグローバル人材の育成や高度専門人材の確保などの本格的な取り組みにつなげてまいります。

次世代産業の創造につきましては、これまで、炭素繊維やエネルギーの分野を中心に、ファンドの創設や研究開発拠点の整備、研究者の招へいなどに取り組んでまいりました。

こうした中、炭素繊維をベースとする革新複合材料の研究開発に係る本県の産学官連携の取り組みが国の大型プロジェクトに採択され、先般、連携して研究開発に取り組む県内大学や企業との間で協力協定を締結いたしました。今後は、県外大学とも技術交流を進めるとともに、さらに多くの企業の参画を得て研究開発を加速させ、本県を革新複合材料の一大生産拠点として成長させてまいりたいと考えております。

また、高齢化等を背景に市場の拡大が見込まれる健康産業につきましては、モノづくり産業や独自技術を有するニッチトップ企業の集積など本県産業の強みを発揮できる分野であり、これまで医療機器や診断技術の開発などを積極的に支援してきたところであります。

こうした中、先般、北陸三県で共同提案していた「北陸三県連携ライフサイエンス研究推進事業」が国の大型プロジェクトに採択され、生活習慣病やがんの分野で、本県は血中遺伝子を利用した迅速・安価な診断技術の開発、富山県は天然薬物を活用した予防薬の開発、福井県は陽子線を利用した最先端の治療法の確立など、それぞれ得意分野を活かして取り組むこととし、三県合わせて五年間で約七億円の支援を受けられることとなりました。

今回の採択は、これまでの石川・富山両県の取り組みに、新たに、福井県が参画して北陸三県が連携し、予防・診断・治療に一体的に取り組むことが国から評価されたものと考えており、今後、人材の集積を進め、研究機関からの技術移転を促進することにより、研究成果の事業化が加速されることを期待しております。

また、農産物の生産・加工・販売を行う(株)ミスズライフが、ブナシメジの生産工場及びベビーリーフと呼ばれるサラダ用若菜の栽培加工施設を穴水町に立地することを決定し、去る六日、進出表明があったところであります。今回の決定は、栽培適地が確保されたこと、「のと里山海道」の無料化により関西方面への物流コストと所要時間の両面で優位性が確保され、さらに、能越自動車道の整備後は中京方面への物流にも優位性が見込めるなど広域交流基盤が整っていること、また、豊かな自然環境に恵まれ、里山里海が世界農業遺産に認定された能登のブランドイメージが高まっていることなど、能登の優位性が総合的に評価されたものと考えております。

さらに、ブナシメジの菌床をベビーリーフ栽培の肥料へリサイクルするなど、環境にも優しい能登に相応しい企業の立地であり、地元雇用の創出はもとより、地域の活性化につながることを大いに期待しているところであります。今後とも、アンテナを高くして情報収集に努めるとともに、本県の立地の優位性や支援体制などを積極的にPRし、さらなる企業誘致に取り組んでまいります。 

 

以上

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