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第一は、「交流が盛んな特色ある地域づくり」についてであります。
北陸新幹線につきましては、平成二十六年度末までの金沢開業に向け、順調に工事が進められており、金沢・敦賀間については、用地取得に向けた諸準備が着々と進められております。こうした中、来年度国家予算の概算要求において、成長戦略実現のための特別枠を活用し、整備新幹線の国費が八百二十二億円余と増額要求されており、金沢・敦賀間の工期短縮につながっていくことを大いに期待しているところであります。今後とも、金沢までの開業はもとより、金沢・敦賀間のできる限り早期の完成に向け、必要な予算の確保を国に働きかけるとともに、大阪までのフル規格による早期全線整備について、関西圏を含めた沿線地域との連携を密にし、県議会及び関係各位のご支援をいただきながら、取り組んでまいる所存であります。
並行在来線の経営主体となる石川県並行在来線株式会社については、先月一日、県や市町、民間の追加出資により資本金を約二十億円に増額するとともに、社名を「IRいしかわ鉄道株式会社」に変更し、本格的な鉄道事業会社としての基盤が整ったところであり、今後、鉄道事業許可の取得や利用促進策の検討など、開業に向けた準備をさらに加速してまいります。
北陸新幹線金沢開業に向けた戦略的なPRの展開につきましては、本年度を「新幹線開業PR戦略実行プラン」の実行元年と位置付け、首都圏における認知度の向上に向け、情報発信の取り組みを大幅に強化するなど、戦略的な取り組みを鋭意進めているところであります。
開業PRイベントなどで活用するマスコットキャラクターについては、キャッチコピーである「いしかわ百万石物語」を象徴するキャラクターとするため、県出身デザイナーによるコンペを実施し、先月十四日、本県の郷土玩具であり、縁起物である「加賀八幡起上り」をモチーフに、輪島塗や金沢箔、加賀友禅、九谷五彩など本県が全国に誇る伝統工芸をイメージさせる風格のあるデザインを採用したところであり、マスコットキャラクターの制作にあたっては、こうした伝統工芸品はもとより、本県企業が製造する炭素繊維も利用し、古い伝統のうえに新しい文化が息づく石川らしさを表現することといたしました。
現在公募中の愛称については、既に三千件を超える応募をいただいており、今月中にも、県民の皆様方が親しみを感じる本県らしい愛称を決定したいと考えております。また、マスコットキャラクターの活用にあたっては、その効果を最大限に発揮するため、専門家によるチームを組織し、戦略性を持って取り組むこととしているところであります。
こうした開業PRを財源面から担保していくため、全国で初めて設置する「新幹線開業PR推進ファンド」につきましては、造成にあたり、県債の購入を通じて県民や企業の皆様方などにもご協力いただくこととし、先月、「北陸新幹線みらい応援債」として県内及び首都圏で四十億円を募集したところ、二日間で完売したところであり、本日、県と市町の拠出分も併せ、総額百二十億円で創設することといたしました。今後、ファンドの運用益を活用した開業PRにしっかりと取り組むこととしており、趣旨にご賛同いただき、ご協力をいただいた皆様方に、あらためて厚くお礼を申し上げる次第であります。
いしかわ動物園につきましては、昨年春、日本海側の動物園では初めて、コビトカバのメス一頭を導入したところでありますが、このたび、シンガポール動物園からオス一頭を提供いただくことが決定し、今後、検疫等の手続きが順調に進めば、早ければ来月にも公開できる運びとなったところであります。つがいでの飼育が、動物園のさらなる魅力の向上につながるとともに、繁殖を通じて、世界的に希少なコビトカバの種の保存に貢献できることを期待しているところであります。
また、木場潟公園については、本県を代表する眺望景観である白山眺望が美しい公園として親しまれており、特に、西園地から潟越しに望む白山眺望は県内屈指と言われていることから、今般、平成二十七年春の北陸新幹線金沢開業及び全国植樹祭の開催に合わせ、新たに展望休憩施設を整備することといたしました。かつて木材の集積地であった木場潟にふさわしく、また、今回の全国植樹祭の基本理念である「森林資源の利活用」を踏まえ、県産材をふんだんに活用し、県内外から訪れる多くの方々が四季を通じて白山眺望を楽しむことができる施設にしたいと考えております。
のと鉄道につきましては、沿線地域の過疎化や少子化の進行により地元利用が減少し、厳しい経営状況が続いております。こうした中、のと鉄道では、県外からの団体旅行客の誘致に取り組み、成果を挙げているところであり、北陸新幹線金沢開業後の平成二十七年度の誘客目標を六万人とする新たな利用促進策に取り組むこととしております。県としても、金沢開業がのと鉄道の利用促進を図る千載一遇の好機であることから、こうした経営努力を踏まえ、国が地域鉄道を支援するために本年度新設した起債制度を活用し、観光客用車両の導入を支援いたします。さらに、こうした厳しい経営状況にあっても、車両修繕など当面必要と見込まれる安全対策を適時適切に実施することができるよう、基金の造成を支援することといたしました。沿線市町と連携し、二年間で総額十億円となるこうした
支援を実施することにより、のと鉄道が地域の日常生活を支える生活交通として、また、金沢開業効果を能登へと波及させる二次交通機関として、その役割を十分に果たしていくことができる環境が整うものと考えております。
小松空港につきましては、国際線では、昨年十二月にデイリー運航が実現した台北便が高い搭乗率を維持しておりますが、全体としてはアウトバウンドの利用が低調となっていることから、先月五日に新設した無料の国際線第二駐車場など国際線利用者の利便性向上を周知するとともに、航空会社とも連携しながら各路線の特長を活かし、さらなる利用促進策に取り組むことといたしました。
また、台北便のデイリー化一周年を記念して、台北市内の百貨店で開催する観光物産展につきましては、来る十一月十四日から十九日まで六日間にわたり開催し、本県の食や伝統工芸の魅力を発信することといたしました。また、併せて観光セミナーを開催し、本県のさまざまな魅力を発信し、台湾からのさらなる誘客促進につなげてまいります。
国内線については、平成二十四年度の利用者数は四年ぶりに二百万人を超え、本年度は、これをさらに上回る状況で順調に推移しております。本年三月末から増便された福岡便と仙台便では、利用者は順調に増加しているものの、今後、利用者が減少傾向となる冬場を迎えることから、今般、さらなる利用促進に取り組み、路線の定着に努めてまいります。
今後とも、議員各位をはじめ小松基地並びに空港周辺住民の皆様方のご理解とご協力をいただきながら、日本海側の拠点空港としての発展に向け努力してまいる所存であります。
能登空港につきましては、開港十年目の搭乗率は、地元市町や関係団体と一体となり、首都圏からの誘客促進や地元利用の促進に努めたことにより、目標搭乗率を達成することができたところであります。開港十周年を迎えた本年七月には記念式典や記念フォーラムを開催し、これまでの取り組みの成果をあらためて確認するとともに、県民の「マイ空港」意識のさらなる高揚を図ったところであり、十一年目以降も、引き続き、官民一体となって利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。
金沢港につきましては、多数のクルーズ船が寄港し、乗客数は既に過去最多となる七千百人に達し、最終的には約一万二千人に上る見込みとなっております。寄港したクルーズ船を県民挙げて歓送迎するため設立した「金沢港クルーズ・ウェルカム・クラブ」については、会員数が二千五百人を超え、寄港の都度、多数の会員の皆様に出迎えや見送りにご参集いただいているほか、和装での出迎えや芸能の披露など歓送迎行事にも積極的にご協力いただいており、金沢港の歓送迎は乗客や船会社からも大変好評を得ているところであります。こうした活動の継続と充実を図るため、今般、乗客をお迎えするためのマナーなどを学ぶ研修会や会員相互の交流会を開催し、石川ならではの心のこもった「おもてなし」のさらなる向上を図ることといたしました。
また、コンテナ取扱量については、史上最高であった昨年をさらに上回って順調に推移しており、引き続き、官民一体となったポートセールスにより、コンテナ取扱量の一層の拡大を図ってまいります。さらに、コンテナを利用できない大型貨物についても、今般、東南アジア方面へのトライアル輸送を実施し、潜在貨物の掘り起こしと安定的な集荷を図ることにより、定期航路化へつなげていくこととしており、引き続き、国際物流拠点としての金沢港のさらなる機能強化に取り組んでまいります。
海外からの誘客につきましては、兼六園の外国人入園者数が七月までに昨年一年間の入園者数を上回るなど順調に推移し、特に、東南アジア諸国からの入園者数が大きく伸びているところであります。こうした中、本年七月からタイとマレーシアについては訪日旅行ビザが免除され、インドネシアについてもビザ要件が緩和されるなど東南アジア諸国からの訪日旅行者のさらなる増加が期待されることから、これを契機に、メディアの招へいや旅行博覧会への出展により認知度の向上を図るとともに、現地旅行会社へ旅行商品造成を働きかけるなど、誘客の取り組みを強化することといたしました。
道路網の整備につきましては、北陸新幹線の金沢開業を見据え、積極的に国の追加認証の確保に取り組み、金沢外環状道路海側幹線をはじめ珠洲道路、金沢能登連絡道路、南加賀道路など広域交流ネットワークの整備をさらに促進することといたしました。また、主要地方道金沢井波線の金沢市清水町から田島町間については工事が順調に進捗し、来る十一月四日に全線供用できる運びとなり、富山県の南砺地域はもとより、中京方面からのアクセスが大きく向上し、交流人口の拡大に寄与するものと期待しているところであります。
さて、藩政期以来培われてきた伝統文化の集積や高い水準の生活文化は、本県の個性であり、大きな魅力でもあります。これまでも、全国に先駆けて文化振興指針を策定し、音楽堂の建設、金沢城の復元整備をはじめとした兼六園周辺文化の森の整備、県内各地域の特色ある文化施設の整備などの基盤整備を着実に進めてきたほか、能楽、邦楽などの芸能や伝統工芸といった伝統文化の継承・振興に力を注ぐとともに、オーケストラ・アンサンブル金沢に代表される新たな文化の創造にも努めてまいりました。
しかしながら、現在の文化振興指針の策定から十六年を経過し、人の価値観は物の豊かさから心の豊かさへ、量から質へと大きく変化するとともに、多様化しております。また、本県の文化を全国に発信していく千載一遇の好機である北陸新幹線の金沢開業が一年半後に迫っております。こうした変化に的確に対応するとともに、本県の豊かな文化にさらに磨きをかけ、後世に確実に継承し、発展させていくため、今後の本県における文化振興施策の拠り所ともいうべき文化振興条例(仮称)を制定するとともに、文化振興指針を見直し、文化の担い手である県民の皆様と一体となって、さらなる文化施策の充実に取り組んでまいりたいと考えております。現在、現行の指針の成果や課題について検証を進めているところであり、今回、県民意識調査を実施することにより県民の文化に対する関心やニーズをしっかりと把握し、条例の制定や指針の見直しに反映してまいります。
以上
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