ここから本文です。
トキは、うまれてからしばらくは灰色の羽をしており、卵からかえって20日ほどたつと、白い羽が生えてきます。肌の色は茶色です。トキの成鳥の羽のうすいピンク色は「とき色」と呼ばれています。トキはカニやザリガニなどの甲殻類(カニやエビの仲間)を食べることで、「カロテノイド」という色素を体内に取り込むことで、「とき色」の羽根となります。
トキは、オスもメスも繁殖期になると、頭部から首にかけての部分から出る黒い液を体に塗り付けて灰色になります。このような方法で羽の色を変化させる鳥はトキだけで、巣で卵を抱くときなど、繁殖期に外敵から身を守るためと言われています。求愛行動が盛んになる2月頃(冬~春)から黒さが目立ち始め、秋ごろに羽が抜け換わります。羽が抜け換わったばかりの秋から冬が最も美しい「とき色」が目立ちます。
秋になり、羽がピンク色になったトキ
クチバシの先から尾羽の先までを体長と呼び、トキは約75cmです。
トキの体重は普通1.5kg前後で、オスの方が重く、最大でも2kgぐらいです。
トキの脚は、短く、赤いのが特徴で、脚の指は4本あります。木などに止まりやすいように前に3本、後ろに1本あります。
トキの脚には小さいみずかきがついており、水田や湿地を歩くのに便利です。
トキの脚(幼鳥)
トキの寿命ははっきりわかってはいませんが、佐渡で36歳まで生きた「キン」を参考に、30歳くらいと考えられています。
トキの食べ物はカエル、ドジョウ、タニシのほか、海岸に生息するカニやエビ、昆虫も食べることがあります。植物は、ほとんど食べません。
いしかわ動物園で飼育しているトキには、どじょうや馬肉などのエサをあたえています。
トキのくちばしは、黒色で、先端は赤色です。トキのくちばしが曲がっているのは、泥の中のエサを食べやすくするためです。オオタカなどの外敵に目を光らせながら、泥の中の小動物を探すのに都合のよい形になっています。
トキの頭に生えている冠羽は怒ったときや気持ちよいときなど、感情表現の一環として逆立つことがあります。
成鳥は赤い顔をしていますが、幼鳥は黄色っぽい顔をしており、目がクリっとしています。トキの顔は、泥がつかないようにするため、羽毛が生えていません。また、トキの耳はほっぺたの位置にあります。目を閉じるときは、まぶたが下から上にあがって閉じます。
トキの成鳥の鳴き声は、鼻のつまったカラスの鳴き声とも言われ、「カーウ」や「ターオ」と表されます。また、ヒナは「ピーヒュルルル」といった音になります。
トキの体温はおよそ40℃です。暑くなると、口を開けて息をして、さらに暑くなると翼を広げ、わきの下の羽毛のない部分に風を当てます。
トキは羽をきれいにするために水浴びをします。
トキが争うときは、くちばしでつついて攻撃します。他にも翼で叩いたり、飛び蹴りをしたりすることもあります。
トキが眠るときは、基本的には木に止まったままの姿勢で眠ります。首を後ろにねじまげて背中の羽の間にくちばしや顔をうずめたり、首を縮めてくちばしを胸にすぼめたりします。
トキは最速で時速60kmで飛行します。佐渡島と新潟市の間は約60kmなので、1時間であれば飛んでいくことができます。
トキを車や船などで運ぶときは、外の景色に驚いたり、あばれて頭やくちばし、羽などにケガをしないよう、窓のない体の大きさに合わせた箱に入れておきます。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
同じ分類から探す