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トキの繁殖期はおおむね2月~7月頃(春~夏)です。トキは2~3歳になると、繁殖のため、オスとメスが1羽ずつの組み合わせとなるペアの相手を見つけます。
トキの求愛行動として、くちばしで小枝をくわえて気に入った相手に渡したり、羽づくろいを繰り返すほか、くちばしを絡ませ合い異性を引きつけるための行動をとったりします。
トキは気に入った相手とペアになると、群れからはなれて、ペアごとに気に入った木に巣を作ります。日本ではアカマツやコナラ、中国ではクヌギやバビショウ(マツのなかまの高木)などの木の上に、直径60cmほどの巣を作ります。
トキの巣作りでは、オスが枝を運び、メスがそれを受け取り巣を作る事が多いようです。
トキは年に1回、1日おきに1個ずつ、合計で4個ほどの卵を産みます。卵の大きさは6.7×4.5cm(69g)程度で、ニワトリの卵より少し大きいくらいです。交尾してから約1週間から10日間ほどで産卵します。
4個産まれる卵のうち、ふ化してから成鳥になる確率が最も高いのは、1番目のトキです。(最初にふ化したヒナと、最後にふ化したヒナでは、体の大きさが全然違います。)
産まれた卵をオスとメスが交代で温め、約28日で卵のカラを破ってヒナが生まれます(ふ化)。
産まれる直前にヒナが卵の内側からつつくことを「ハシ打ち」といいます。
ヒナが両足を巣から出すことを「巣立ち」といいます。
トキは子育てをオスとメスが交代で行います。ふ化したヒナは40日ほどで巣立ちます。巣立ったヒナは、自分でエサを取れるようになるまでは、親鳥からエサをもらいます。
また、トキの飼育員が親鳥に代わって、卵やヒナの世話をすることがあります。
巣立ちしたばかりのトキ
毎年秋頃、いしかわ動物園で育てたトキを佐渡へ移送しています。
佐渡では約3か月間、野生で生きていくための訓練を受けたあと、放鳥されます。
これまでいしかわ動物園で育てた78羽のトキを佐渡に移送しており、このうち、71羽が佐渡で放鳥されています。
石川県は本州で最後のトキ生息地で、トキに大変ゆかりが深い土地であることから、平成22(2010)年にトキを受入れ、飼育繁殖の取組を開始しました。
トキの飼育繁殖に取り組んでから4年目の平成25(2013)年に、親鳥が自分で卵を温めて、ふ化した子どもを親鳥が育てる完全自然繁殖に成功しました。いしかわ動物園では、令和5(2023)年7月までに90羽の繁殖に成功しています。
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