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第2 審査の結果及び意見
審査に付された決算書及び証書類について、精細に検討を加えた結果、
決算書の計数はいずれも正確であり、各事業の経営成績及び財政状態を適
正に表示しており、また、事業の経営についても公営企業の基本原則に沿
って、おおむね適正に行われているものと認める。なお、各事業会計の審
査の意見は次のとおりである。
1 石川県立中央病院事業会計
当年度は、入院患者一人当たり診療費の増加等により医業収益の増加がみ
られ、また、診療材料費も増加したものの、器械備品の借上料等の経費節減
によって、単年度収支では、前年度に引き続き純利益を計上した。
しかし、純利益額は前年度を下回っており、さらに、今後、本県の中核的
医療機関として、より高度で質の高い医療サービスの提供が求められる一方、
給与費の増加や施設の老朽化に伴う施設改修費用の増大及び平成14年度の
診療報酬の改定等を勘案すると、依然として厳しい経営状況に置かれている。
こうした状況を踏まえ、今後の病院運営に当たっては、職員の経営意識の
向上はもとより、信頼される医療の確立や病床の効率的利用を図るとともに、
IT化の進展も踏まえて長期的展望に立った経営改善に努めるよう望むもの
である。
2 石川県立高松病院事業会計
当年度は、外来収益の伸びによる医業収益の増加及び経費の減少等により、
前年度に引き続き純利益を生じている。
しかしながら、県内精神医療の中核病院として多様で質の高い医療サービ
スの提供が求められるなかで、急性期治療病棟の整備や器械備品の拡充によ
る医業収益増への経営努力が認められるものの、医業収益に対する給与比率
の伸び及び平成14年度の診療報酬の改定等を勘案すると、依然として厳し
い経営状況に置かれている。
こうした状況を踏まえ、今後の病院運営に当たっては、職員の経営意識の
向上を図り、経費の適正化や施設の効率的運用、専門療法等の拡充による診
療収益の確保に努力するとともに、近年のIT化の進展も踏まえた病院業務の
効率化、医療サービスの向上など長期的な展望に立った経営内容の改善に
努めるよう望むものである。
3 石川県港湾土地造成事業会計
当年度は、大田工業用地の売却収益と現有用地の暫定的な貸付により、
引き続き純利益を計上している。
しかしながら、未売却用地については売却の目処が立っている箇所がある
ものの、依然として具体的な売却計画の立たない箇所が見受けられる。
今後の事業運営に当たっては、企業立地の動向等を踏まえ、関係機関との
連携を強化するなど、現有用地の早期売却に努めるよう望むものである。
4 石川県電気事業会計
当年度の販売実績電力量は、2、3月の融雪出水等により前年度を上回り、
引き続き純利益を生じている。
今後の事業運営に当たっても、引き続き健全経営を維持するよう望むもの
である。
5 石川県水道用水供給事業会計
当年度は、給水収益の微増や営業外収益の微減があったが、営業外費用の
減少等により、単年度収支は依然として純損失となっているものの前年度よ
り好転している。
また、長期的には企業債の償還及び借換えによる支払利息の軽減により、
収支は改善の方向にある。
今後の事業運営に当たっては、一般会計から多額の繰出し及び財政支援が
行われていることを踏まえ、引き続き高金利企業債の借換えを図るなど、諸
経費の節減に配慮し、経営の健全化に一層努力するよう望むものである。
以下、各事業会計における概要について述べるが、本文及び表中の金額に
ついては、特に断りのない限り消費税を含まない額である。
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