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更新日:2025年9月3日

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記者会見の要旨 - 令和7年9月1日 -

知事

  令和7年度9月補正予算案がまとまりましたので、その概要を説明いたします。

  スライド1ご覧下さい。今回の9月補正予算は、先月の大雨災害への緊急対応として、大きな被害となった道路、河川、農業施設などのインフラや、金沢競馬場などの施設の復旧、被災された方々の支援のほか、県下全域での河川の堆積土砂の除去などの防災・減災対策の予算を計上しました。また、能登半島地震・奥能登豪雨への対応として、初動対応の検証結果や地震被害想定の見直しを踏まえ、防災対策の強化を図る予算を計上するとともに、引き続き、生活や生業の再建支援、創造的復興の推進など、復旧・復興を加速させる事業を盛り込みました。さらに、過去最大となる最低賃金の大幅な引き上げを踏まえた事業者への緊急支援など情勢変化への対応のほか、事業の進捗を踏まえて、石川県成長戦略を更に前へ進める予算も計上しました。

  以下、主な施策について説明します。

  大きな1点目は「大雨災害への緊急対応」についてです。

  スライド2をご覧下さい。8月6日からの大雨では、県内で7日明け方に線状降水帯が発生するなど、各地で記録的な降水量となり、道路の崩落や河川の氾濫などが発生したことから、速やかに応急対策を実施しています。県管理道路については、最大33箇所で通行止めとなりました。現在は2箇所まで減少しています。このうち、崩落により人的被害が発生した、国道249号七尾市中島町小牧地内については、調査の結果、記録的な大雨により地下水位が上昇し、地山からの湧水が道路下の盛土に流れ込んだことが崩落の原因と考えられることから、対策を講じ、来週中の通行止め解除を目指して、応急復旧を進めています。本復旧に向けては、現地調査や測量・設計を進めており、10月から災害査定を開始し、早期復旧を目指して取り組みます。

  スライド3ご覧下さい。金沢競馬場については、きゅう舎地区を中心に広範囲に浸水し、きゅう務員等の宿舎37世帯が床上浸水したほか、競走馬約600頭が水に浸りました。砂厚が減少したコースの復旧を完了したほか、きゅう舎地区の清掃・消毒や馬の健康面の管理を継続しながら、来週9月7日からのレース再開に向けて準備を進めます。今後、速やかに、被害のあった宿舎の修繕を実施し、災害時の馬の早期避難を含めた安全確保対策については、馬主や調教師などの関係者と意見交換を進めます。9月7日の再開当日は、私も金沢競馬場に出向いて、復旧に携わっていただいた全ての関係者の皆様、そして、全国のファンの皆様に感謝の気持ちを表明したいと考えています。

  スライド4ご覧下さい。今後に備えた防災・減災対策として、まずは、来年の出水期までに、県下全域で緊急的な対策に取り組みます。即効性のある治水対策として、洪水被害を抑制してきた実績がある河川の堆積土砂の撤去について、今般、県下全域で総点検し、新たに堆積が確認された34河川で、緊急的に実施します。このほか、冠水・高潮対策として、1、河川・港湾の護岸や道路舗装の嵩上げ  2、道路アンダーパスの排水機能の強化  3、応急仮設住宅への大型土のうの設置  などを実施いたします。また、今回、記録的な大雨と潮位が高い時期が重なり、各地で冠水による被害が発生したことを踏まえて、特に被害が大きかった河北潟周辺や、地震により護岸や道路が沈下した能登内浦沿岸部地域において、被害の要因などを検証することとし、明日、2つの地域ごとに、国、県、市町などからなる協議会を立ち上げて、今年度内に「冠水・高潮対策プラン」を策定いたします。さらに、抜本的な治水対策である河川改修については、国の追加認証も得て県下全域の5河川、これは言います、町野川、熊木川、森下川、高橋川、手取川、河川改修を促進いたします。

  次に、被災した事業者や農業者の事業再建への後押しについて報告します。

  スライド5をご覧下さい。事業所にも浸水などによる被害が100件以上発生しております。被災した小規模事業者や中小企業の施設・設備の復旧に対して、最大200万円を支援いたします。能登半島地震・奥能登豪雨に加え、今回の大雨で再度被災した事業者については、100万円を上乗せして、最大300万円まで支援いたします。また、事業者からの相談にきめ細かく対応するために、「専門家派遣制度」の派遣枠を拡大して、被災事業者は、無料で何度でも利用いただけることとしました。

  スライド6をご覧下さい。被災農業者への支援です。農作物や農業機械にも被害が生じました。国に対して営農再開に向けた財政支援を求めていますが、国の支援を待つことなく、県独自にハード・ソフト両面で支援策を講じます。具体的には、1、被災した農業機械の修繕などに係るハード支援については費用の1/2を支援します。  2、農作物のまき直しに必要となる種苗・肥料代などの掛り増し経費に係るソフト支援については費用の2/3を支援し、営農再開を後押ししていきます。

  次、「能登半島地震・奥能登豪雨への対応」について申し上げます。

  はじめに、初動対応に係る検証結果や地震被害想定の見直しを踏まえた防災対策の強化について申し上げます。初動対応に係る検証については、昨年6月から検証作業を開始し、有識者をはじめ、市町や関係機関、県議会、県民の皆様から頂いた幅広い意見を踏まえて、先月、報告書がとりまとまりました。今週9月4日に臨時の防災会議を開催し、地域防災計画にも反映いたします。既に、検証結果の取りまとめを待つことなく、危機管理部の創設や総合防災情報システムの機能強化、避難所の環境改善に向けた資機材整備といった対策を進めておりますが、今回、検証結果を踏まえ、新たな対策を講じました。

  スライド7をご覧下さい。検証報告書では、平時における準備・想定不足が指摘されましたので、応援職員の受入や市町への職員派遣、孤立集落対策、広域避難をはじめとした、災害時の初動対応に関する20のマニュアルを整備し、災害対応力の強化を図ります。また、災害時には早期に救助活動や物資輸送のルートを確保することが重要です。能登半島地震の経験を踏まえ、関係機関との役割分担を定める「道路啓開計画」の検討に着手し、来年中の策定を目指します。加えて、国などから多数の応援職員が県庁に参集する中、災害対策本部室や執務室のスペースの不足もあり、庁内や関係機関の情報が危機部局に一元化されず、司令塔の役割を担えなかったことから、危機管理部主導での災害対応体制の構築に向けて、災害対策本部室等の機能強化の検討を進めます。

  スライド8ご覧下さい。現行の津波浸水想定は、平成29年度に国の津波断層モデルを基に実施したものですが、能登半島地震の後、能登地域では隆起や沈降など地形の大きな変化が生じております。一方、国からは、浸水シミュレーションの前提となる、最新の海域活断層の長期評価を反映した津波断層モデルや、新たな地形データは未だに示されておりません。しかしながら、今後の津波災害に備えて、起こり得る被害をできるだけ早期に、かつ正確に想定し、その対策を行うことが重要です。国の動きを待つことなく津波浸水想定の見直しに着手することとしました。県として、専門家による検討会を設置し、具体の調査手法の検討を進めます。

  次に、生活や生業の再建に向けた支援についてです。

  まず、生活再建支援アドバイザーの増員については、6月に金沢市内に開設した「いしかわ被災者支援センター」を拠点として、能登から広域避難している、みなし仮設住宅の入居者を中心に、自力での生活再建や恒久的な住まいの確保に課題を抱えている世帯の伴走支援を実施しております。こうした取り組みと併行して、被災者の実情に応じた仮設住宅の入居期限の延長手続きを行っているところでありますが、今後、恒久的な住まいへの移行に課題を抱える世帯の増加が見込まれます。このため、みなし仮設住宅の入居者の相談にきめ細かく対応できるように、生活再建支援アドバイザーを現在の8名から12名に増員し、被災者の生活再建や恒久的な住まいの確保に向けた支援体制を強化します。

  スライド9をご覧下さい。被災地では、地域外の方々がボランティア活動などで能登を訪れたことをきっかけに、能登に愛着を持ち、起業を目指す動きが活発化しています。一方、能登での起業は、生活基盤の確保や、復興状況の予測を踏まえた事業構想の計画立案など、通常の起業より多くのハードルがあり、相当な時間と労力が必要です。このため、生活基盤の確保と起業に向けた伴走支援を組み合わせた「能登起業チャレンジ応援プロジェクト」によって、能登での起業を促進することとしました。まず、「生活基盤の確保」については、起業までには数か月単位で能登に滞在する必要があることから、滞在拠点として、のと里山空港敷地内にコンテナハウス型の長期滞在施設を20棟整備します。そして、「起業に向けた伴走支援」については、能登事業者支援センターに起業支援の専門人材を配置し、きめ細かい相談対応を行います。この専門人材というのは、地域おこし協力隊のことであります。さらに、起業にあたっては、今年度の当初予算で創設した「起業促進補助金」の予算枠を拡充することとして、こうした3つの支援パッケージにより、能登での起業を後押しする。

  スライド10ご覧下さい。営農の再開促進については、7月、地域ごとの意見交換会を4回開催し、私も直接、生産者のみなさんの声をお聞きし、農地復旧の見通しや営農再開の支援策をお示ししてまいりました。農業用の機械や施設の再取得への支援については、今後の営農再開時に向けた支援、つまり、農業者の負担を1/10とする支援です。これを望む声をたくさんいただいておりまして、農地の復旧に合わせて申請件数が増加しておりまして、追加の予算を確保いたします。また、集落でまとまって営農再開したいんですが、話を取りまとめるリーダーが不在で議論が進められないとの声が多くありました。そこで、集落と行政の橋渡しや専門的なアドバイスができるコーディネーターを派遣し、合意形成を後押しいたします。さらに、関係者が一丸となって前を向いて進んでいく気運醸成の必要があると聞いておりまして、奥能登の農業関係者の皆さんが一堂に会するフォーラムを12月に開催し、営農意欲を喚起することとしました。

  次に、創造的復興の推進についてです。

  スライド11をご覧下さい。関係人口の創出・拡大については、5月、県や県内全19市町、民間団体等からなる石川県関係人口官民連携協議会を設置し、2回、施策の方向性などについて議論を進めてきました。これを踏まえて、今般、関係人口の創出・拡大に向けて、地域住民との交流や継続性を意識したプログラムの造成支援、あるいは、プログラムを造成、運営していく人材を育成するための関係人口塾の創設、また、地域での関係人口の受入の土壌をつくるためのコーディネーターの派遣などについて、所要の予算を計上し、取り組みを進めることとしました。また、構築を進めてきた関係人口を把握するための登録システムについても11月に運用開始し、効果的に活用してまいります。運用開始にあたっては、システムへの登録を促すために、首都圏にお住まいの方等をターゲットとしたPRイベントや、全国メディアを活用した情報発信などによって、関係人口の掘り起こしを行います。奥能登の県立高校5校については、奥能登地区の人口動態や地震の影響を踏まえると、生徒数は今後も減少していくことが想定されます。地域の高校が引き続き生徒に選ばれるように、魅力ある学校づくりをさらに進める必要があります。地元市町及び経済界、有識者からなる「奥能登県立高校魅力化検討ワーキング」を設置し、具体の取組を、短期・中長期の視点から幅広く議論していただきます。このワーキングでは、「小規模校における学びの質の保証」、「特色ある学校づくり」の2つの観点から具体の取組を検討いただいて、今年度改定する「石川の教育振興基本計画」にも反映します。来年度以降も継続的に議論し、将来の創造的復興を担う人材の育成に向けて、奥能登の高校の魅力化推進に取り組みます。

  次、スライド12ご覧下さい。輪島塗の創造的復興に向けて、先月20日、官・民・産地で構成する基本構想策定委員会で、若手人材の養成施設の整備等に関する基本構想を取りまとめました。基本構想には、輪島を「漆芸の聖地」とするため、若手人材の養成施設の整備を核に、魅力発信や海外販路開拓の取り組みを盛り込みました。

  スライド13をご覧下さい。養成施設については、県輪島漆芸美術館の西側の用地を建設予定地としております。

  スライド12に戻ってください。この周辺にはワークショップスペースの設置など、産業観光の機能も付与することとしています。整備に向けて基本設計等に着手し、施設の運営やカリキュラムなどについても、具体的な検討を進めていきます。また、輪島塗の創造的復興のためには、県民が輪島塗について理解を深め、将来の輪島塗の人材を増やすための取り組みや、輪島塗の市場拡大を図るための取り組みも不可欠です。このため、児童生徒を対象とした輪島塗の製作体験会や広く県民を対象としたフォーラムの開催、さらには県立美術館においても、機運の醸成の一環として、来年夏に、高度な技をつなぐ「技のバトンリレー」によって作られる輪島塗のすばらしさを発信する特別展を開催します。また、輪島塗の海外展開を見据えた勉強会の実施など、ハード・ソフト両面から、取り組みを本格化します。引き続き、官・民・産地がしっかりとスクラムを組んで、知恵を出し合って、各種取組を進め、輪島塗の再興、さらには、能登の創造的復興につなげたいと思います。

  次、「奥能登版デジタルライフライン」の構築については、平時から有事までの切れ目ないデジタル技術の活用モデルとして、「ドローンの官民共用・防災モデル」と「被災者情報の把握モデル」の実証を進めます。

  スライド14をご覧下さい。「ドローンの官民共用・防災モデル」の構築については、昨年10月にKDDIとの間で、防災DXなど、デジタル技術の活用に向けた包括連携協定を締結しております。これまでも、協定締結の前後から、KDDIと連携して、奥能登豪雨での被災状況の確認、県防災総合訓練、警察、消防などでのデモフライトなどなど、様々な場面でのドローンの活用を検証してまいりました。こうした成果も踏まえまして、今般、KDDIにおいて、能登半島地震・奥能登豪雨の経験や教訓を持つ能登で、ドローン及びドローンポートを複数台、面的に整備し、官民が共同で活用するサービスの実証に取り組むことが表明をされました。KDDIでは、能登での実証を踏まえて、将来的には、石川県内に30か所、全国で1,000か所の展開を目指しているそうです。こうしたドローンシステムがあれば、災害時には、発災直後から遠隔操作によって、被災状況の確認が可能となり、初動対応力を高めることが期待されます。一方、サービスを成り立たせるためには、行政や民間も含めた様々なセクターの参画によって、普段から、インフラ点検などに活用し、コスト負担の分散化とフェーズフリーの実現を図っていくことが重要不可欠です。KDDIでは、県以外にも、国、市町、電力や鉄道事業者など、幅広く活用を働きかけ、需要を掘り起していくこととしております。県としても、サービスの利用者として、河川、海岸等のインフラ管理やパトロールなどで活用することで、実証を支援してまいります。能登半島地震・奥能登豪雨の教訓を踏まえたデジタル技術を活用した防災モデル、この防災モデルが、全国に展開されるよう、しっかり取り組んでまいります。

  次に、施設の災害復旧について申し上げます。穴水町にある精育園の復旧整備の検討について申し上げます。精育園は地震により、甚大な被害を受け、一部の利用者は現在も県内外の施設での生活を余儀なくされています。他の施設で生活されている方々に、1日も早くふるさとである能登の地に戻っていただくことを最優先に考え、復旧方針を検討してきましたが、建物の被害状況や敷地の地盤調査の結果、現在地での復旧は極めて困難で、新たに施設を移転整備する必要があると判断しました。整備にあたっては、施設関係者や学識経験者等で構成する検討会を立ち上げて、移転先の立地条件や、個室化をはじめ、今日の障害者支援施設としてふさわしい機能や規模等について、速やかに検討を進めます。

  次、大きな3点目ですが、「情勢変化や事業進捗を踏まえた成長戦略の更なる推進」について申し上げます。

  スライド15をご覧下さい。賃上げ対策です。本県の最低賃金については、先般、現行制度下では過去最大となる70円引き上げられて、1,054円とすることが決定され、10月8日から適用されます。最低賃金の大幅な引き上げは、賃金水準の底上げや、人材確保の観点から、極めて重要である一方、事業者にとっては大きな負担を伴います。石川労働局長や石川地方最低賃金審議会の会長、連合石川の会長、石川県商工会議所連合会など県内の4経済団体の各会長からも、賃上げに取り組む事業者への支援を要請されました。県として過去に例のない思い切った対策を講じることとしました。石川県では令和4年以来、今後の賃上げ環境の整備に向けて、生産性向上に向けた設備導入等のハード整備に対する国の業務改善助成金に、県独自の上乗せ支援を講じており、年々、活用する事業者が増えております。今年度の当初予算でも十分な予算を確保し、順調に活用いただいています。一方、事業者からは、業務の効率化に向けたITシステムの導入や、従業員のスキルアップ研修等のソフト事業によって、生産性向上を図りたいとの声を多くお聞きしております。そこで、今後の賃上げ環境の整備に向けて、国助成金の対象とならないソフト事業を支援する県独自の補助制度を創設することとしました。企業の負担を低減し、積極的に活用いただけるように、小規模事業者は5分の4、中小企業は4分の3と、高い補助率の手厚い補助制度とし、最大100万円を助成します。加えて、能登半島地震や奥能登豪雨によって、より厳しい経営環境にある被災事業者が多いという状況を踏まえ、今般の最低賃金の引き上げが、地震・豪雨からの再建の腰折れにならないように、今般、新たに、直接的な緊急支援として、地震・豪雨で被災した小規模事業者を対象に、賃上げ人数に応じて、最大10人まで、一人あたり5万円、最大50万円の支援金を支給することとしました。また、こうした補助制度も活用し、生産性向上や収益力の強化が図られるように、専門家による伴走支援体制も強化しました。当初予算での支援は5,500万円でありましたが、今般の対策により、補正総額で10億円を超える支援パッケージで賃上げを強力に後押しいたします。こうした支援策が県内企業に行き渡り、実効性のあるものとするため、石川労働局との共催で「いしかわ政労使会議」を明後日3日に開催し、私から直接、各団体にご協力を仰ぐことといたしました。なお、県発注の施設管理などの業務委託契約については、契約書に、最低賃金の改定があった場合は契約金額を変更できる条項を掲載しており、今般の最低賃金の引上げを踏まえ、増額の変更契約にしっかりと対応してまいります。

  スライド16をご覧下さい。人手不足が深刻化する中、省力化につながるDXの取り組みや人材確保が喫緊の課題です。省力化に向けては、6月から工業試験場の「デジタル活用ものづくり支援センター」において、ロボット導入のワンストップ支援を実施しております。企業からの支援ニーズを踏まえて、現地指導を行うロボットアドバイザーの派遣枠を拡大するとともに、本格導入に向けたトライアル実証の取り組みを新たに支援します。また、人材確保対策については、国内の労働力が減少する中、外国人材の確保・定着に向けた取り組みを一層進めていく必要があります。5月に締結した、石川県自動車販売店協会とベトナムのハイフォン社、県の3者間で連携協定については、先月から7名の受入を開始するなど、順調に進んでおります。この取り組みには、他の業界からも高い関心が寄せられておりまして、この横展開に向けまして、業界団体等のニーズ把握のための研究会を開催し、更なる連携候補先の選定に向けた基礎調査を実施いたします。

  スライド17をご覧下さい。小松・羽田便については、来月26日の冬ダイヤから、ANAが2便減便し、1日8便となります。国内航空ネットワークを維持するために、航空利用の需要を喚起し、一層の利用促進に取り組みます。具体的には、首都圏等からの利用促進のため、旅行会社に対し、小松・羽田便を利用し、県内に宿泊する個人向け旅行商品の造成を支援します。また、更なるリピーターの確保に向けて、利用実績に応じた特典、これは5,000円のデジタルギフト券のことです。この特典が付与される「小松空港サポーターズクラブ会員」の入会促進や、会員のリピート利用促進に向けたキャンペーンを展開します。

  スライド18をご覧下さい。のと里山空港については、地震・豪雨の影響もあり、地元利用が低迷する中、首都圏からの利用促進のため、能登の冬の食を堪能するツアーの造成を旅行会社へ働きかけ、「今行ける能登」への更なる誘客につなげ、創造的復興を後押しします。また、平成15年7月7日の開港以来の搭乗者数が、今年中に300万人を超える見込みとなったことから、記念イベントによる地元利用の更なる機運醸成に加え、記念キャンペーンによる利用促進を図ってまいります。

  スライド19をご覧下さい。前田育徳会尊経閣文庫の誘致については、7月31日に行われた産学官石川復興プロジェクト会議において、会議のメンバーがそれぞれの立場で、県民全体の機運を高めていくことが不可欠との方針が確認されました。県としては、県民全体の機運醸成に向け、尊経閣文庫の魅力や価値をご理解いただけるよう、著名人や研究者を招いたトークイベントのほか、県立美術館に平成20年に設置した尊経閣文庫分館での所蔵品等を紹介する講座やギャラリートークを開催します。来年は前田育徳会の創立100周年にあたりまして、東京国立博物館での展覧会も予定されておりますが、来年度以降も機運醸成に取り組んでまいります。

  スライド20をご覧下さい。横綱・大の里関をはじめ、本県出身力士の活躍により、相撲への関心が大いに高まっております。安心・安全に競技ができる環境の整備により、更なる裾野の拡大や選手の発掘・育成につなげてまいりたいと思います。県立武道館の屋内相撲場については、近年、記録的な猛暑が続いており、夏の大会や練習での熱中症対策が急務であり、来年夏までに空調設備を整備します。また、卯辰山相撲場についても、選手がケガをした場合の救護室や、大会開催に必要な備品の保管場所がなく、大会運営に支障をきたしていると現場からの声があり、救護室機能を備えた倉庫を、来年5月の高校相撲金沢大会までに整備します。

  スライド21をご覧下さい。近年、市町の消防職員の応募倍率低下や、消防団員の減少によって、消防職員・団員の確保が喫緊の課題となっております。将来にわたる石川県の消防力の維持・強化に向けて、先般行った県内各地域の消防関係者との意見交換も踏まえ、消防本部間の連携・協力の拡大や広域化、団員の負担軽減やイメージアップといった具体の方策の議論を進めるため、新たに有識者を交えた検討会を設置します。また、近年、高齢化の進展などを背景に、救急車の出動件数が急増しております。そこで、急な病気やケガで救急車を呼んだほうがいいか迷った時などに相談できる専用ダイヤルとして「♯7119」を来年2月にも、県として開設し、消防や医療機関の負担軽減による迅速な救急搬送と医療の質の確保につなげてまいります。

  以上が今回の補正予算の概要であります。一般会計補正予算額は235億500万円余、このうち、8月6日からの大雨災害への対応は、119億5,500万円余、能登半島地震・奥能登豪雨への対応は、68億4,200万円余となりました。また、大雨災害への対応や、来年のJBC競走の開催に向けた準備のため、 公営競馬特別会計補正予算額は、3億4,800万円となりました。

  9月補正予算については、以上です。

  予算以外の案件として2点報告いたします。

  1点目は、子どもの権利に関する条例についてです。これまで、9月議会での提案に向けて、子ども政策審議会で議論を行うとともに、パブリックコメントや小学生との意見交換会も実施し、幅広く意見をお聞きしてきました。こうした中、議会の常任委員会で、「さらに県民の皆様のご意見を聞き、条例の必要性や意義について議論を深める必要性がある」といったご意見をいただきました。より一層、議会や県民の皆様のご理解を得ることが肝要であると考えて、9月議会での条例提案を見送り、12月議会での提案を目指すこととしました。条例の必要性や意義について、議会や県民のご理解をいただけるように、これまで以上に取り組んでまいります。

  スライド22をご覧下さい。2点目は、土地境界再確定加速化プランの策定についてです。液状化による側方流動の被害を受けた土地の境界再確定の加速化に向けた対策パッケージを、石川県からの要請によって5月に発足をした、国、県、被災市町、専門家で構成するプロジェクトチームにおいて、検討を進めてきました。先月28日に開催された第3回プロジェクトチームで、土地境界再確定に至る期間を大幅に短縮する対策と計画をまとめた「土地境界再確定加速化プラン」が策定されました。この加速化プランでは、1、民間事業者等の外部専門家のフル活用、必要な追加予算・人員の確保による地籍調査事業の短期集中の実施  2、人員・予算の確保、地域の協力を前提とした各市町における境界再確定に向けた調査完了の最短スケジュール  3、土地境界再確定に向けた3つの具体的手法  これは、地籍調査による境界の確認・登記、地籍調査を経ての分筆・所有権の移転、地籍調査成果を活用した土地区画整理、この3つの具体的手法を示しています。本プランの実行により、当初、地籍調査事業だけで3年から7年かかるとされていた各市町による見通しを、大幅に短縮するものであります。土地所有者等の協力を頂いて、測量などの地籍調査等がスムーズに進められる地域においては、最短で令和8年度中に地籍調査事業による境界確定に向けた調査の完了を目指すこととしました。一方、土地境界の再確定は、こうした調査の加速化だけではなくて、調査結果をもとに土地所有者同士の話し合いなどによって実現されるものであります。今後、この加速化プランに基づいて、国、県、市町はもとより、被災された地域の土地所有者などの関係者が一丸となって取り組んで、被災者の早期の住宅再建が進められるように、しっかりと後押してまいりたいと思います。

  私からは以上であります。

 

 

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