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令和5年1月4日(水曜日) 10時00分~
2. 文化・スポーツ施策の充実・強化
文化・スポーツに関する包括連携協定の締結
3. 結婚支援・子育て支援施策の充実
4. 森林公園の魅力アップ整備
明けましておめでとうございます。旧年中も大変お世話になり、ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
冒頭私から報告をさせていただきます。知事に就任して以来、早いもので9ヶ月が経過をし、丁寧に県政に取り組んでいる毎日であります。昨年は長引くコロナ禍に加え、8月の豪雨災害や能登地方における一連の地震活動、原材料やエネルギー価格の高騰など、石川県としても様々な厳しい課題に直面をした一年でございました。
新しい年を迎え、私としては、県政の最も基本的な責務である危機管理に万全を期すとともに、県民の皆様に笑顔になっていただける、希望の持てる一年にしたいと思っています。
そのためにも、本年5月のG7教育大臣会合、10月からの国民文化祭を通して、石川県を国内外に発信していくとともに、「幸福度日本一の石川県」の実現に向けて、「石川県成長戦略(仮称)」の本年秋頃の策定に向けた準備を加速させるなど、緊張感を持って全身全霊で職務に邁進をしていきたいと存じます。
まず、令和5年度の当初予算への対応についてでございます。私にとりましては、初めての「通年予算」の編成となります。
当初予算は、県民の皆さんに来年度石川県が何を目指し何に取り組んでいくのかを示す最も重要なメッセージであると考えています。そのため、既に昨年11月の段階から知事が各部局の皆さんと来年度予算の方向性を議論する「オータムレビュー」を実施したところでありまして、今月上旬から編成作業を本格化させてまいります。
現在、今後10年間の石川県の進むべき方向性を示す「石川県成長戦略(仮称)」の策定に向けた作業を進めておりますが、今年秋頃の策定を待つことなく、先取りできるものについては、できる限り当初予算に盛り込みたいと考えています。
知事就任以来、県民の皆さん、市町の皆さん、各種団体の皆さんなど、様々な方々のご意見に耳を傾けてまいりました。こうしたご意見、また、県議会における論戦、そして私自身、知事選挙で掲げた公約も踏まえまして、持続可能性のある財政運営に十分留意をし、「魂」のこもった予算編成とし、県民の皆さんに希望を持っていただけるような予算をお示しできるように取り組みたいと思っています。2人の副知事、また、部局長をはじめ、つかさつかさの職員の皆さんと共に創意工夫を凝らし、県民の安全安心を守り抜いていくために全力を傾けたいと存じます。
では、図1をご覧ください。まず文化スポーツ施策について3点申し上げたいと存じます。
1点目は、文化観光についてであります。北陸新幹線の県内全線開業までいよいよあと1年3か月となりました。開業効果を最大化し、県下全域へ波及させるために、今年度中に「新幹線県内全線開業PR戦略実行プラン」を策定し、新年度から3年間にわたり集中的に施策を展開してまいります。
そうした取り組みの大きな柱の一つとして「文化立県石川」ならではの強みである、厚い文化の土壌に育まれてきた多彩な文化資源を最大限に活用し、観光誘客に繋げていく文化観光を強力に推進していきたいと考えています。
昨年、石川県観光連盟においては、新たに「文化観光検討会」を立ち上げ、具体の施策について検討を進められたとお聞きしており、その結果を踏まえ、先月、私にも提言をいただきました。その内容は、文化の担い手と観光事業者が連携した文化観光素材の発掘から磨き上げ、そして商品化、販売促進に至るまでの各段階の取り組みに対して、複数年度にまたがる一貫した支援制度を創設してほしいというものでありました。
私としては提言にあるように、支援に当たっては、その年その年の単年度の予算措置ではなく、複数年にわたる支援と評価と、その安定的な財源の確保が不可欠であると考えています。
そこで、新年度には文化観光の推進に特化したファンド「石川文化観光推進ファンド(仮称)」を県観光連盟内に設けて、県観光連盟がその運用益を活用し、複数年度にわたって支援する制度を創設したいと考えています。
ファンドの規模は100億円、県と県観光連盟の会員でもある北國銀行が、それぞれ50億円を県観光連盟に貸し付けてファンドを造成し、その運用益を支援の財源とすることとし、期間は当面5年間を想定しております。県としては無利子で貸し付け、北國銀行は年0.2%の有利子で、年間の利払いは1千万円を想定しております。運用方法としては県債の運用で、想定利率は0.8%、想定運用益は年間8千万円。したがって、差し引き7千万円の運用益において、事業を推進したいと考えております。
北國銀行には資金の貸し付けに加えて、観光事業者などへのコンサルティングなど様々な面でサポートし、文化観光の推進に金融機関の立場から支援をいただくことを期待しております。こうした文化観光に特化したファンドは全国初の取り組みであります。
石川県の強みである多彩な文化資源を最大限活用した文化観光を強力に推進し、文化立県石川ならではの取り組みを展開したいと考えておりまして、所要の予算を新年度予算に提案したいと存じます。
2点目は、宮内庁の「三の丸尚蔵館」収蔵品による特別展の開催についてであります。
この特別展は今年の秋に開催される国民文化祭「いしかわ百万石文化祭2023」のメイン行事として位置づけております。国民文化祭の会期に合わせて、全国で初めて、県立美術館と国立工芸館という2館共同での1つの展覧会として開催することとしております。これは、今年の10月14日土曜日から11月26日日曜日までの44日間、1枚のチケットで県美と工芸館と入れると。
最も重要なことは、両館の学芸員が連携して展覧会の図録を共同で作成をする。ここにやっぱり県と、それから国の機関の連携が初めて具体的になされることになったという象徴であります。これまで宮内庁や文化庁、国立工芸館と具体の内容について協議を進めてまいりましたが、今般、展示作品の概要がまとまりましたので紹介いたします。
図2をご覧ください。まず既に公表させていただいておりますが、加賀藩前田家や石川県ゆかりの作家による作品として、1つめに明治天皇の前田邸行幸に際し、第16代当主、前田利為(としなり)より献上された藤原定信(ふじわらのさだのぶ)作『金沢本万葉集(かなざわぼんまんようしゅう)』です。この作品は、昨年の国の文化審議会の答申を受け、国宝に指定される予定であります。
2つめに、加賀藩3代藩主前田利常の娘、富姫(ふうひめ)が八条宮智忠親王(はちじょうのみやとしただしんのう)に輿入れした際に、将軍家から送られた狩野探幽(かのうたんゆう)作『源氏物語図屏風(げんじものがたりずびょうぶ)』です。
3つめに、昭和3年の昭和天皇即位の礼に際して、小松市が献上した初代徳田八十吉ほか作『萬歳楽置物(まんざいらくおきもの』など、数多くの本県ゆかりの作品が里帰り展示されることになります。
次、図3をご覧ください。これに加えて、今回、日本美術を代表する名品もお借りできることとなり、具体の作品についてご紹介したいと存じます。
まず、我が国の花鳥画の代表作である国宝 伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)作『動植綵絵(どうしょくさいえ)』、次に鎌倉時代の「やまと絵 絵巻」の最高峰として名高い国宝 高階隆兼(たかしなたかかね)作『春日権現験記絵(かすがごんげんけんきえ)』、次に書聖とうたわれた中国の王羲之(おうぎし)の書法を伝える第一級の資料であり、これも昨年の文化審議会の答申を受け、国宝に指定される予定の『喪乱帖(そうらんじょう)』。私も学生時代、書道科教育法で、この王羲之の作品をお手本に勉強しましたが、大変私の立場から見ても本当に懐かしいですね。手習いといいますか、『喪乱帖』が展示されることになります。大変嬉しいです。
次に名工「正宗」の作品の中でも特に傑作と評される『刀 名物若狭正宗(めいぶつわかさまさむね)』、次に当時皇太子でありました昭和天皇ご成婚を記念して、内閣総理大臣以下の文武官一同から皇太子、つまり昭和天皇ご夫妻へ献上されました『鳳凰菊文様蒔絵飾棚(ほうおうきくもんようまきえかざりだな)』、次に帝室技芸員、つまり現在の人間国宝である海野勝珉(うんのしょうみん)が宮内省御下命により製作した、明治期の彫金の代表作『太平楽置物(たいへいらくおきもの)』などなど、地方ではほとんど鑑賞することがかなわない、日本美術の最高傑作が、他県では例を見ない規模で展示される予定であります。
次に図4をご覧いただきたいと存じます。加えて今回、公益財団法人前田育徳会のご協力をいただき、尊経閣文庫の名品である、国宝『金沢本万葉集』や国宝王羲之作『孔侍中帖(こうじちゅうじょう)』、国宝 『刀 名物太郎作正宗(めいぶつたろうさくまさむね)』など、先ほど申し上げた、三の丸尚蔵館の名品とコラボして展示することとしており、加賀藩前田家が守り伝えてきた本県文化の素晴らしさをぜひご堪能いただきたいと存じます。
これらを含めてですね、展示作品数は地方での三の丸尚蔵館展としては全国最大の約110点となり、皇室の名品が本県でまとまって公開される初の機会となります。ちなみに令和3年、宮崎県立美術館では30点、岡山県立博物館では38点、九州国立博物館では68点の展示となっておりますので、いかに今回の石川県での、三の丸尚蔵館展の規模、内容ともに抜きんでているかがご理解いただけるかと思います。
この特別展が国民文化祭を彩る華となるとともに、政府機関の地方移転の効果を内外に示す展覧会となるように、国立工芸館としっかり連携して、引き続き準備を進めてまいりたいと存じます。
3点目は、文化・スポーツに関する三つの包括連携協定の締結について報告いたします。図5をご覧ください。
1件目は、一般社団法人石川ユナイテッドであります。
県内に拠点を持つ7つのトップスポーツチームの活躍は県民に感動や勇気を与えてくれており、県はこれまで各チームと個別に連携協定を締結し、本県スポーツの振興やスポーツを通じた地域活性化に協働して取り組んでまいりました。
ちなみに7つのトップスポーツチームは、ツエーゲン金沢、石川ミリオンスターズ、金沢武士団(カナザワサムライズ)、北國銀行ハンドボール部Honey Bee、PFUブルーキャッツ、金沢学院クラブバドミントンチーム、そして、ヴィンセドール白山フットサルのチームであります。
こうした中、平成30年9月には、一般社団法人石川ユナイテッドが県内のトップスポーツチームを包括する団体として設立されました。親子体験交流イベント「いしかわスポーツキッズフェスタ」や小中学校でのスポーツ教室、大学と連携した地域の健康作りなどに取り組んでおり、地域貢献活動とともに、ファン層の拡大を図るなど、その活動の幅を広げております。
7つのトップスポーツチームは、本県のスポーツをけん引する存在であり、一層のスポーツ振興とスポーツによる地域活性化を進めるために、石川ユナイテッドとの間で包括連携協定を締結し、さらなる連携強化を図ることといたしました。連携協定の締結式を今月17日火曜日に行います。
協定の内容は、イベント開催によるファン層の拡大、学校でのスポーツ教室、出前講座の開催、県の取組み、イベントへの選手の参加協力、石川スポーツマイレージでチーム情報の発信などでありまして、具体の連携事業については、いま石川ユナイテッドと協議を進めておりますが、新年度当初予算に計上したいと考えております。
2件目は東京藝術大学であります。図の6をご覧ください。東京藝術大学は、国内唯一の国立総合芸術大学として、世界水準の教育研究活動を推進し、我が国の芸術文化の発展について指導的役割を果たしております。藝大と石川県はこれまでも県立美術館における藝大美術館の所蔵品を用いた展覧会の開催や、県立音楽堂におけるワークショップの開催等を通じ交流を図ってきたところであります。
現在、石川県では、今年秋の国民文化祭や来年春の新幹線県内全線開業を見据え、文化芸術による地域活性化がより一層求められている状況であり、一方、藝大では、世界水準の教育研究活動や芸術分野の専門人材を生かし、アートの力による地域活性化を各地で展開しているところであります。
豊富な文化資源と多彩な文化振興施策を有する石川県をフィールドワークの場として活用したいという藝大の思いと、文化・芸術による地域活性化をさらに図りたいという本県の思いが一致したことから、この度、藝大との間で包括連携協定を締結することとなりました。藝大が都道府県と連携協定を締結するのは石川県で4例目であります。香川県、長野県、長崎県に続いて石川県と、こういうことになります。
連携協定の締結式については、日比野克彦学長および宮田亮平元学長を本県にお招きして、近いうちに行いたいと考えております。
協定の内容としては、芸術文化の振興に関すること、アートによるまちづくり、地域の活性化に関すること、共生社会を作るアートコミュニケーション拠点事業に関すること、教育研究に関すること、人材育成交流に関することなどでありまして、街中にアートを展開し、県民総アーティストと、こういう方向を掲げたいと思います。
ちなみにいつも私はこの襟につけているバッジは宮田亮平さんにいただいたものでありまして、たまたま私が大臣のときに文化庁長官に指名したのが宮田さんでありまして、退任のときに宮田さんのシンボルである「シュプリンゲン」をモチーフにこのバッジを作っていただきました。改めてですね、文化を通じた経済活動も含め、あらゆる面における可能性を藝大との連携において追求していきたいと考えています。
次、3件目は日本体育大学であります。日体大は国内で最も歴史のあるスポーツ総合大学として、130年に渡り我が国のスポーツ振興と指導者育成にリーダーシップを発揮するとともに、多くの優秀な選手を養成し、輩出しております。これまでも日体大とは、県内高校チームが合同合宿を実施するなどの交流がなされております。ちなみに私もかつて日体大の理事を務めていたときがございました。日体大で授業もしていたときもございます。
現在、石川県では、東京オリンピック・パラリンピックを契機としたスポーツの気運の高まりをさらなるスポーツ振興に繋げていきたいと考えております。一方、日体大はこれまで培ってきた選手の指導・育成のノウハウを生かした「スポーツ振興」による地域活性化に積極的に取り組んでいるところであり、次世代アスリートの育成とスポーツによる地域活性化を進めたい本県の思いと一致したことから、この度、日体大との間で包括連携協定を締結することとなりました。
連結協定の締結式については、松浪健四郎理事長および石川県出身の谷釜了正元学長をお招きして、今月23日月曜日に行う予定としております。日体大が都道府県と協定締結をする例は、愛知県、三重県、新潟県に次いで本県が4例目であります。
協定の内容は、指導者の派遣や学生・生徒の交流、施設の利用などですね、現在、日体大と協議を進めているところであり、具体の連携事業については、新年度当初予算に計上したいと考えておりますし、日体大が世界に誇る集団行動の体験は、我が石川県の小中学生にもぜひ体験をし、個人が尊重される時代であるということは当然でありますが、この集団行動の美しさや素晴らしさ、こういったことにもですね、目を見開いていただければと思っています。
次に図8をお願いします。結婚支援、子育て支援について2点ご報告いたします。
1点目は、「いしかわ縁結びマッチング」システムの導入など、結婚を希望する若者に対する支援についてであります。
これまで石川県では、市町や企業と連携し、官民一体となって、「縁結びist」によるお見合いや、婚活イベント「いしかわ縁結びイベント」の開催、「いしかわ婚活応援企業」の認定や、「石川しあわせ婚応援パスポート」いわゆる婚パスの協賛店舗拡大など、様々な結婚支援に取り組み、1千組を超える成婚に繋げてまいりました。
そこで今回、結婚支援のさらなる充実のため、新たに、未婚者がスマートフォンなどを使って年齢や居住地、趣味など、希望に合ったお見合い相手を検索できる、「いしかわ縁結びマッチング」システムを導入いたします。全国のマッチングシステム導入状況を見ますと、既に導入しているのは29県でありまして、今年石川県を含む4県が導入ということとなります。
このシステムは利用登録からお見合いの申し込み、お見合い後の交際意思の確認も含め、全てスマートフォンで行えることから、これまで仕事が忙しいなどの理由で婚活ができなかった方にも、手軽に婚活を始めていただけると考えております。
特徴としては、登録には独身証明書が必要です。「縁結びist」による日程調整、立会い、相談対応をいたします。利用登録料は2年で1万円ですが、令和5年3月まで会員増に向けた早期登録キャンペーンを実施しておりまして、利用登録料を2年で5千円という半額にいたします。
まず、今月30日から会員募集をいたしまして、3月21日から運用を開始したいと考えています。なぜ3月21日開始かと申しますと、今年の3月21日は大変、運の良い日となっておりまして、「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」と「天赦日(てんしゃび)」の二つの大開運日が重なるこうした日は、今年は3日しかない、最高に縁起の良い日であり、縁結びの新たな取り組みをスタートさせるにふさわしい日であると考えております。
この「一粒万倍日」というのはですね、こういうことだそうでして、種もみ1粒から稲ができ、万倍ものお米が取れることから、何かを始めるのに最適な日とされまして、入籍や結婚式の日取りとして最適だそうです。「天赦日」というのは天が全ての罪を許す日とされ、大安よりも縁起がよく、この日に始めたことは何事もうまくいくと言われているそうです。令和5年で両方が重なる日は1月6日、3月21日、8月4日のみだそうでありまして、3月21日にシステム開始スタートにすることといたしました。
一定期間運用後は、会員の検索履歴やお見合いの実績など、蓄積されたデータをもとにAIが相性の良さそうな相手を紹介する機能も備えることとしております。また、石川県ならではの取り組みとして、「縁結びist」がお見合いに同席し、交際中も相談に対応するなど、きめ細かく支援し、マッチングの効果を上げることとしております。
加えて、既存の「縁結びist」によるお見合いや、婚活イベント「いしかわ縁結びイベント」も組み合わせて利用できる会員専用サイトを新設いたします。
そして「いしかわ縁結びマッチング」システム、「縁結びist」、「いしかわ縁結びイベント」、これら三つの事業を、本県ならではの結婚支援パッケージとして、より多くの方にご利用いただくため、石川の頭文字「I」と愛情の「愛」をかけて、胸のときめきを表す「きゅん」を合わせた「あいきゅん」という愛称をつけて、広く周知を図りたいと考えております。「あいきゅん」ロゴマークはこんな感じです。
結婚を希望される皆さんに、石川の縁結びで「きゅん」とする出会いを見つけていただき、1人でも多くの方の成婚に繋げてまいりたいと存じます。
次、図9。2点目は、県の乳幼児医療費助成の拡大に伴う市町の子育て支援施策の充実についてであります。
現在、子どもの医療費について、県では乳幼児医療費助成制度として、所得制限を設けたうえで、入院は就学前、通院は3歳まで、市町の助成額の2分の1を負担しております。
これを昨年の6月議会において、県全体の子育て支援の水準をさらに引き上げるために、各市町において子育て支援策の充実を図っていただくことを前提に、来年度から通院の対象年齢を、入院と同じ就学前まで引き上げるとともに、所得制限を撤廃する方針を表明させていただきました。
これにより、乳幼児医療費に係る市町の財政負担が試算では2億円程度軽減されることから、各市町には制度拡充の趣旨や目的をしっかりとご理解いただいたうえで、軽減される財源を活用し、新たな子育て支援策の充実に向けた検討を行っていただくよう要請してまいりました。
その結果、現在、19市町全てにおいて、来年度当初予算の編成に向けて、市町の財政負担の軽減額と同等以上の子育て支援策を検討いただいていることが明らかとなりました。
現在、市町の予算編成作業中であるため、詳細はお示しできませんが、現時点で市町においては、例えば多子世帯の保育料の軽減や、学校給食費の無償化といった子育て世帯の経済的負担の軽減とか、子育て施設における遊具等の整備などなど、それぞれの市町の実情に応じて工夫を凝らした新たな子育て支援策の検討を進めておられるとお聞きしております。
これにより、石川県全体の子育て支援の水準がさらに引き上げられるものであり、今後、各市町で予算編成が本格化し、最終的に予算案が固まった段階で、各市町の具体の施策を取りまとめ、しかるべき時期に、県民の皆様にお伝えしたいと考えております。
次に森林公園についてであります。自然とのふれあいの場として親しまれている森林公園は、今年5月に開園50周年の節目を迎えます。今般、今年5月中旬以降にリニューアルオープン予定のバーベキュー場とフィールドアスレチック場、来年夏休み前にオープン予定の屋内木育施設について概要が固まりましたので紹介いたします。
図10をご覧ください。バーベキュー場とアスレチック場は、いずれもファミリー層に人気の施設でありますが、現在、両施設は約1.5キロ離れており、一体的にご利用いただくことが難しい状況であります。
そのため、今回のリニューアルを機に、バーベキューを楽しみながら、気軽にアスレチックで遊ぶことができるように、アスレチック場をバーベキュー場の隣接地に移転させることとしました。さらに、車で直接乗り入れることができるバーベキュー舎を整備し、荷物の多い家族連れ利用者等の利便性に配慮しました。
またアスレチックについては、子どもが繰り返し訪れて、何度も遊びたくなるように、バラエティに富んだ20基の遊具を設置するとともに、森林公園の間伐材など、県産材を中心に使用し、木材の地産地消も図ります。
図11をご覧ください。次に屋内木育施設についてであります。
森林公園では、雨天時や冬場の利用者が少ないことから、天候を気にせず利用できる施設として、全天候型の木育施設を新たに整備することといたしました。
外観のデザインは木育施設にふさわしく、木材を多く使用し、樹々が豊かな公園の景観に馴染むよう配慮したほか、雨の日もあまり濡れないように、玄関に大きな「ひさし」を設けるとともに、メインの木育ホール部分を柔らかい印象となるよう円筒形としました。
木育ホールに設置する大型木製遊具については、遊びを通して木と触れ合うことで、木の温もりや優しさ、木によって異なる色、感触、香り、音といった特性が感じられるように、アテやスギなど県産材を中心に多種多様な木材を使用する予定としております。また、子どもの発達に応じた遊具を、エリアを分けて配置するなど、安全面にも十分配慮したいと考えております。
大型木製遊具の図は、現時点のイメージであります。引き続き工夫を凝らしまして、楽しみながらも、学びを深めるような遊具にすべく、今後詳細を詰めてまいります。
完成すれば、雨の日でも遊べる、大型の子供向け施設が誕生する。県民の皆さんはもとより、広く県外の方々にも訪れていただける魅力的な木育施設となるように、障害のあるお子さんも安心して遊ぶことができるように、来年度予算に所要の予算を計上し、来年、令和6年の夏休み前のオープンを目指して整備を進めてまいります。
次、図12をご覧ください。最後に、小学校における少人数学級、35人学級の前倒し実施についてであります。
国から県に配分される教職員定数には、学級数を基に機械的に配分される基礎定数と35人学級、習熟度別指導や生徒指導、日本語指導など、都道府県の要望に応じて国から配分される加配定数がございます。現在、小学校の教職員定数で基礎定数は3,339人、加配定数は274人、合計で3,613人、これが実情です。
小学校の学級編成は、令和3年のいわゆる義務標準法の改正前は、小学校1年生は35人学級、2年生から6年生は40人学級とされており、これに必要な学級数を基に必要な教職員の定数、つまり基礎定数が措置されておりました。
令和3年の義務標準法の改正によりまして、小学校は、2年生は令和3年度から、小学校3年生は令和4年度から、4年生は令和5年度から、5年生は令和6年度から、6年生は令和7年度から、順次、40人学級から35人学級に移行することとされ、これによる学級数の増加に伴い、新たに必要となる教職員の定数、つまり基礎定数が措置されることとなりました。
一方、石川県では、国に先んじて、先ほど申し上げた、教職員定数のうち加配定数の一部を活用して、既に2年生、3年生、4年生について35人学級としておりました。こうした中で、先ほど申し上げた令和3年の義務標準法の改正により、35人学級となることによる基礎定数の増加が加配定数からの振替とならないように、県としては、これまで国家重点要望を行うとともに、私自身も国会議員時代に政府に強く要望してきたところであります。
義務標準法が改正されて、今年度は2年目となりますが、教育委員会からは当初懸念していた、35人学級により基礎定数が増えても、その分、加配定数が削減されるという状況ではなくなったと聞いております。
そこで来年度、令和5年度は、義務標準法による4年生に加えて、県独自に加配定数の一部を活用して、5年生も35人学級とし、さらに令和6年度は、義務標準法による5年生に加えて、県独自に加配定数の一部を活用して、6年生を35人学級としたいと考えております。
これにより、国が進める、令和7年までに小学校全学年を35人学級にするというスケジュールを1年前倒しし、令和6年度までに小学校全学年を35人学級とすることとしたいと考えております。
当然この先には中学校の35人学級実現もございますので、引き続きですね、国に早く義務標準法を改正して、中学校の35人学級を進めるべしと、知事会も含めてですね、ここは義務教育段階でありますから、市町の皆さんとも連携をしてですね、中学校における35人学級を強く予算措置として要望し、法改正を求めていきたいと考えています。
私からは以上であります。この新しい年がですね、ひとつには、このいわゆるコロナからのひとつの出口戦略の象徴となる1年となり、ともに来年3月の北陸新幹線敦賀開業に向けてですね、兎年のように飛躍の1年となりますよう、ウサギさんのようにですね、長い耳をそばだてて情報を適時適切に収集し、職員の皆さんとともにですね、適切な判断を下していくことができるような、そんな1年にしたいと考えています。
以上、年頭、ちょっとたくさん報告事項もございましたが、私からのご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
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