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近年、冷凍技術の進歩と輸入水産物の増加などの影響で魚の「旬」が忘れられようとしていることから、地元で獲れる新鮮な魚介類の再評価と消費拡大を目的に、石川県のそれぞれの季節を代表する水産物を「石川の四季のさかな」として決定し、県産水産物のイメージ向上に一役買ってもらうこととなりました。
石川県では春と秋に漁獲されますが、旬は春です。まずは、刺身。でも、てんぷらや干物もすてがたいです。能登に、郷土料理として「さよりのモゾコ汁」があります。さよりの白焼きとモズク、豆腐の入った澄まし汁です。能登ではサヨリの事をスズと呼び、2隻の船で網を引き回してサヨリを漁獲する漁法を「スズヒキ」と呼んでいます。
よく、「左平目に右カレイ」といいます。概ねこれで正しいようです。というのは、平目といわれている魚は標準和名がヒラメの一種類のみですがカレイといわれているのはアカガレイ、マコガレイ等いろいろあって、中には左を向いたカレイもいるからです。たくさんいるカレイの中で石川県で主に漁獲されるのは、アカガレイ、マガレイ、ムシガレイ、ヤナギムシガレイ、マコガレイ、ソウハチ、ヒレグロです。石川県ではマガレイを「くちぼそ」、ムシガレイを「すがれい」、ヤナギムシガレイを「ささがれい」、ソウハチを「あわて」、ヒレグロを「なめたがれい」と呼んでいます。フランス料理のムニエルで有名なシタビラメはウシノシタ科の魚で、「ねじた」あるいは「ねじらがれい」と呼ばれています。
水平線に並ぶイカ釣り船の「漁火」は夏の風物詩です。石川県の漁業生産額のうち3割がイカ類で、その8割がスルメイカです。スルメイカは日本海の南部で生まれ、餌を採りながら北海道周辺まで北上した後、産卵のため再び南に下っていく過程で石川県沖にも漁場が形成されます。「いか」といっても種類は様々です。石川県の代表的なものとしてスルメイカ、ヤリイカ、アオリイカ、アカイカ(ケンサキイカの地方名)、ソデイカがあげられます。いずれも独特の風味で人気があります。
石川県でおいしいお刺身といえばアマエビが代表的な一品です。標準和名をホッコクアカエビといい、水深500メートル、水温0度台の冷たい深海に住んでおり、底びき網、籠で漁獲されます。この仲間は北極を含む北大西洋、北太平洋に広く分布しており、日本に大量に輸入されています。このエビは成長の過程で性転換をします。4~6才で雄から雌になり、1年おきに3回ほど産卵して一生を終えます。
石川県でブリといえば、冬、定置網で漁獲される脂ののった大型魚を指します。石川県の漁業の歴史を語るとき、能登のぶり網を抜きにして語ることはできません。珠洲市から七尾市に至る富山湾に面した海域は全国でも有数の定置網地帯で、16世紀には既にブリ網による漁が行われていたようです。加工品としては藁縄を巻いた「巻きぶり」や、カラカラに干した「干しいなだ」が有名です。
水深250~400メートルに生息し、底びき網で漁獲されます。11月6日が解禁日で、冬の数ある漁獲物のなかで花形といってもよいものです。石川県では雄をズワイガニ、雌をコウバコガニと呼んで区別しており、酢醤油で食べる甲羅の中の未成熟卵(内子)は絶品ですが、最近では気軽に食卓にのる値段でなくなったのが残念です。解禁とともに魚屋の店頭に並ぶズワイガニは石川県の冬の味覚の代表ですが、このズワイガニを庶民の味として取り戻すため漁業者は資源管理型漁業に取り組んでいます。
石川県漁業協同組合 石川の四季のさかな(外部リンク)
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