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石川県内に生息するほ乳類は、19科58種(外来種を含む)で、本州に生息するほとんどの種類が分布しています。 これらのうち、種類数が最も多いのはコウモリの仲間で17種が、次にネズミ科とモグラの仲間で、どちらも9種が記録されています。
県内での地域的絶滅種はニホンカワウソとニホンオオカミです。
ほ乳類のうち県内でおよその生息数のわかっている種類は僅かです。 また、その生息分布がはっきりわかっている方が少ないのが現状です。
最も良くわかっているのはニホンザルで、32群約1,680頭(平成28年10月現在)が、白山麓の尾口、吉野谷、鳥越、河内の各旧村と金沢市に生息しています。
カモシカは昭和30年に国指定特別天然記念物として保護され、昭和57年には、富山県・石川県・福井県・岐阜県の4県にまたがる「白山カモシカ保護地域」が設定されています。奥山の一部にのみ生息が確認されていたカモシカですが、近年、里山などの低標高地や七尾市までの能登方面の地域でみられるようになってきています。
カモシカ
本県ではこれまでに、全国での鳥類確認種数の7割を超える約450種が確認され、鳥類確認種類数の最も多い県の一つといえます。 これは多様な自然環境に恵まれていることに加え、本県が渡り鳥の重要なコースにあたっていることも理由として上げられます。 特に舳倉島は日本海に突き出た能登半島の先に浮かんでいる孤島で、アジア大陸と日本を行き来する渡り鳥の絶好の休息地となっています。
県内の鳥類の重要な生息地としては、オオミズナギドリやハヤブサの繁殖する七ツ島、ガン・カモ類の重要な越冬地として ラムサール条約の登録湿地になっている加賀市の片野鴨池をはじめ河北潟や邑知潟、七尾湾などをあげることができます。 また、白山山系の高山帯にはイワヒバリをはじめとした高山性の鳥類、ブナ帯にはイヌワシ、クマタカなどの猛禽類が生息し、 コマドリ、コノハズク、ツツドリなどの森林性の夏鳥の多くもブナ林で繁殖します。
また、県内各地の里山地域にもオオタカ、ミサゴなど希少な猛禽類が生息しています。
イヌワシ
県内でこれまでに確認された両生類は、21種(亜種を含む)です。 この中で特筆すべき種として・能登地方と富山県の一部にだけ生息するホクリクサンショウウオがあげられます。
は虫類は、21種が県内及びその近海で記録されており、陸水性のものでは、本州産の種のほとんどが生息しています。 保護上重要なは虫類として、アオウミガメ、タカチホヘビ、シロマダラなどがあげられます。
ホクリクサンショウウオ
県内で、確認された淡水魚類は、96種です。この中には、在来種ほか、他県から放流のため移入された魚や放流魚に 混じっていた、アマゴ、ハスや近年外国から持ち込まれたブラックバス、ブルーギルなども含まれています。
淡水魚の種類が多く確認されている淡水域は、河北潟、梯川、手取川、動橋川、大聖寺川などです。
保護上重要な種として、トミヨ、カマキリ、アジメドジョウ、ホトケドジョウ、アカザがあげられます。
トミヨ
昆虫は、餌や生息場所を特定の植物に依存していることが多いため、その分布は植物相と密接な関係があります。 そのため本県の多様な自然環境と植物相を反映して、昆虫相も豊かであると考えられています。 これまでに、県内で確認された昆虫類は約9,200種となっています。
本県の昆虫類の特徴は、南北両系の種が混棲していることが挙げられます。 例えば、海岸部を中心にイカリモンハンミョウやヒナカマキリなどの南方系の種がみられる一方、 エゾエンマコオロギといった北方系のものも生息しています。
低い山地の水域にはマルタンヤンマなど南方系のものとエゾイトトンボやトワダカワゲラなどの北方系のものがともにみられます。 また、白山には、ハクサンクロナガオサムシなどの固有亜種やクモマベニヒカゲなど白山を分布の西限または南限とする種がみられます。
イカリモンハンミョウ
浅海域とは、波浪の影響を受ける潮上帯から水深20m付近をいいます。
特筆すべきものとしては、ツクモジュズサンゴ、ムツサンゴ、カバサクラガイ、イチモンジハゼなどがあげられます。
ツクモジュズサンゴ
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