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有形文化財(書跡)
1幅
金沢市本多町3丁目2番29号
金沢市立中村記念美術館
金沢市
平家重(金沢市立中村記念美術館所蔵)、藤原信綱、源家長の作と共にこの藤原重輔の作は、遊女への餞別として詠まれた和歌懐紙として一連をなすものである。
この4枚の和歌懐紙の年代は、鎌倉時代の正治2年(1200)頃とみられる。それは、家長の懐紙の位署に「散位源家長」、重輔の懐紙の位署に「安藝守藤原重輔」とあり、家長の履歴が正治2年(1200)散位、建仁元年(1201)右馬助、重輔が正治元年(1199)安芸守、元久元年(1204)内蔵権頭となっていることによる。
この藤原重輔作の和歌懐紙は、「詠餞遊女和歌」の題に続いて、「安藝守藤原重輔」と位署が書かれ、「たちいつるなみたのかは/におふねうけてはるかに/くたすたひをしそおもふ」と和歌一首が詠まれている。
和歌の内容は、別れを悲しみながら川を下って帰る遊女の姿を思い浮かべたものである。書風が軽やかで、和歌の3行4字目に書き直したところがあり、酔筆の特徴がうかがえ、その場の雰囲気が想像される。
遊女への餞別として詠まれた和紙懐紙で全国で4枚残っている熊野類懐紙のうちの一つとして貴重な資料であり、有形文化財として指定し、その保存を図ることが必要である。
熊野類懐紙(藤原重輔筆)
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