報告第2号 平成14年度社会教育委員の会議の概要
「まなびピア石川2002」開催後の生涯学習の振興について
このことについて社会教育委員の会議において、県民を取り巻く社会教育の現状を捉えると共に「まなびピア石川2002」開催の成果を踏まえ、今後の方策について4回にわたり協議を行った。
協議経過
- 第1回 平成14年7月18日
- 第2回 平成14年11月6日
- 第3回 平成15年1月27日
- 第4回 平成15年3月27日
おもな意見
1 現状
- 社会教育を推進する活動の母体となる青年団員や婦人会員の減少、社会教育の中心施設であった公民館の利用者の減少等、地域活動に対する一般の意識は低い。
- 完全学校週5日制に伴い、学校・家庭・地域の連携がより求められるようになっている。
- パソコン相手に若い人が、高齢社会の進展に伴いお年寄りが、家に引きこもるなどの傾向があり、人間関係が希薄になっている。また、身近に子育てを助言してくれる人がいないため、子育てに悩む母親も多く、支援が求められている。
- 市町村合併を控え、この合併を機に各社会教育団体の活性化や再編するための土俵作りが行われている。
- 全国生涯学習フェスティバル「まなびピア2002」の開催を機に、新たな活動の広がりやネットワークが生まれるなど生涯学習への機運の高まりが見られる。
2 方策
(1)「まなびピア石川2002」の成果の継続と学習機会の拡充
- 本フェスティバルは時宜を得た開催で盛況であったが、この成果が一過性に終わることなく、「まなびピア石川」の成果を継承した事業を推進し、学ぶ楽しさの啓発や体験・交流の場の提供、学習成果を社会に生かす評価システムの開発などに務め、より一層学習機会の拡充に取り組むべきである。
- 県民の学習ニーズに対応して、県民大学校や県立学校開放講座などを拡充することが期待されている。能登空港の開港にあわせ開校する県民大学校能登校の講座の充実が望まれ、能登各地から受講者を確保するために、交通手段の利便性を図る必要がある。
(2)青年団・婦人会の活性化
- 地域における教育力の向上が求められている今日、社会教育団体、とりわけ地域に根づいた青年団や婦人会の活性化が不可欠であり、行政の積極的な支援が期待される。
- 青年団や婦人会は種々の課題を抱え、特に青年団は会員数も減少傾向にある。その活性化に向けて、その指針を策定中の「生涯学習振興ビジョン(仮称)」で示すことが求められる。
(3)公民館活動の充実
- 地域の特性を活かした活動を展開し、活力ある地域づくりに取り組む活動を充実させる必要がある。
- 公民館主事や社会教育主事などの資格を有するスタッフを充実させ、公民館が地域コミュニティーの中核的な機能を発揮して、生涯学習の振興を図るべきである。
(4)学校と家庭・地域社会との連携
- 学校週5日制となり、学校と家庭・地域社会との連携が求められているが、学校の施設や人材をより一層有効活用し、学校の教育力を地域に還元することが必要である。例えば、県立学校の開放講座がもっと増えることを期待したい。
- また、教職員も地域の一員として行事などに積極的に参画・活動する姿勢が必要である。
(5)市町村合併と生涯学習の振興
- 市町村合併を契機に、市町村単位の社会教育団体の統合も予想されるが、すみやかな組織の再編成などに取り組み、より一層の活性化を図ることが求められる。
- 県教育委員会も、市町村合併後における公民館活動や社会教育団体活動の振興にかかる指針やモデル形態を提示して支援すべきである。