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金沢市
(金沢市老舗記念館保管)
登録年月日 平成25年3月12日
本件は、石川県金沢市で16世紀末頃に創業されたといわれる薬種商に伝えられてきた薬の製造や販売に用いられた用具類がほぼまとまって収集されたものであり、金沢で暮らした人々の需用に応じて提供した薬の伝統的な製造や販売などの実態を知ることのできる貴重な資料である。
本件は、石川県金沢市で売薬製造・販売をしてきた薬種商中屋で用いられてきた用具類のまとまりである。中屋は、加賀藩の秘薬とされた加賀三味薬「耆婆万病円(きばまんびょうえん)」、「紫雪(しせつ)」、「烏犀円(うさいえん)」の調整を認められ、三味薬の独占的な製造・販売を行っていた他、家伝薬の「混元丹(こんげんたん)」、「腎心丹(じんしんたん)」、「息命丹(そくめいたん)」の製造・販売もしていた。
中でも「混元丹」は、虚弱体質、肉体疲労、食欲不振などの際の滋養強壮薬としてよく知られ、金沢市民の間では風邪や腹痛の際に「混元丹」を飲む風習があった。
本件には、薬製造用具として薬研、キザミ包丁、押し出し式製丸器、扇型製丸器、箱ふるいなどや、薬の販売・宣伝に用いられた看板、薬入れ容器、薬棚、薬箪笥などの用具類がある。
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