兼六園栄螺山の発掘調査(21年度)
山頂部の石垣修理に伴い、上面遺構及び石垣上半部の解体調査を行った。その結果、石
垣の一部が過去に修理されていること、石垣背面の盛土中に現存石垣以前に造られた石垣
が埋め込まれていること等を確認した。
- 調査期間 平成21年8月17日~12月22日
- 調査面積 120平方メートル
主な成果
- 平成21年度は上面の敷石や石組みの一部と、石垣第1段~7段の範囲を対象に解体調査を実施した。
石垣の改修
- 平成21年度は上面の敷石や石組みの一部と、石垣第1段~7段の範囲を対象に解体調査を実施した。
- 隅角部で練り積みの手法(モルタル詰め)が認められることから、近代以降の改修である。
石垣3
- 山頂より約50cm下層から、石垣2の裏栗石に覆われた状態で上面を検出した。石垣用材や面加工、裏込め材は石垣2と共通するが、石積みに「落とし」の傾向があり、石材下面・側面の調整加工が少ない。石垣構築後に前面を盛土で覆って傾斜面を造成しており、その表層に旧表土と目される風化層が認められることから、構築当初から石垣を埋め込んだ状態にあった可能性が高い。
- 石垣2は、この斜面を覆うように築造されており、石垣3から石垣2へ改築し平坦面を拡張したと考えられる。