いもり堀の発掘調査(20年度)
いもり堀復元に伴い、取水路予定地の埋蔵文化財発掘調査 を実施した。
- 調査期間 平成20年7月8日~9月22日
- 調査面積 48平方メートル
主な成果
- 調査区北部は遺存状況が良好であり、近世初期~後期の遺構を検出した。調査区中南部は削平を受けている部分が多く、主に近世前期以前の遺構を検出した。
- 近世後期の遺構として、いもり堀南岸、辰巳用水等を検出した。このうち辰巳用水については、木樋(痕跡のみ)と凝灰岩製石管の二条を確認した。切り合いは確認できないが、前者から後者への改修が考えられる。
- 近世前期の遺構として、池状遺構、溝等を検出した。
- 近世初期の遺構として、土坑、溝、石列、石垣(根石)等を検出した。寛永8年(1631)大火以前に属すると考えられ、さらに二時期に細別できる。石列・石垣(根石)は、いもり堀に並行し、いもり堀側に面を向けている。一方、石垣(根石)の上位で検出した溝はほぼ南北に沿っている。いずれも近世初期の地割を反映するものと考えられる。
- 近世初期遺構面の下層で、古代の土器を含む灰褐色粘土層と、これを基盤とする溝状の掘り込みを確認した。なお、調査区南端で現地表下約4mまで掘り下げたが、地山は確認できなかった。