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更新日:2018年5月17日

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酸性雨対策

1.酸性雨とは

  工場や自動車などで石油や石炭などの化石燃料を燃焼することにより、大気中に二酸化硫黄や窒素酸化物などの汚染物質が放出されます。
  放出された汚染物質は、大気中で硫酸や硝酸などの酸性物質に変化し、これら酸性物質が溶け込んだ雨を酸性雨と呼んでいます。酸性雪や酸性霧などと呼ばれる場合もありますが、本質的には同じものです。
  また、二酸化硫黄や窒素酸化物などの汚染物質は、雨に溶け込むだけではなく、ガスや粒子として直接地上に舞い降ります。
  このため科学的には、水滴に溶け込んで雨や雪などを「湿性沈着」と呼び、ガスや粒子を「乾性沈着」と呼んでいます。これらを合わせ「酸性沈着」として、調査が行われています。

2.酸性雨の影響

  酸性雨は、発生地周辺のみならず、拡散され広範囲の地域に影響を及ぼします。
  かつて、ヨーロッパや北米では、ある国で発生した硫黄酸化物や窒素酸化物が、国境を越えて遠くまで運ばれたことにより、森が枯れたり、河川や湖の水が酸性化して魚類が棲めなくなるなど、大きな社会問題になりました。
  また、酸性雨は、コンクリートを溶かしたり、金属に錆を発生させたりして、建造物や文化財に被害を与えます。

3.酸性雨の指標

  物質の酸性、アルカリ性の度合いの指標として一般に水素イオン濃度指数(pH、ピーエッチまたはペーハー)が用いられており、酸性度が強いほどpHは低くなります。
  純水(中性)のpHは7ですが、降水には大気中の二酸化炭素が溶け込むため、人為起源の大気汚染物質が無かったとしてもpHは7よりも低くなります。
  大気中の二酸化炭素が十分溶け込んだ場合のpHが5.6であるため、pH5.6が酸性雨の一つの目安となりますが、火山や土壌など周辺の状況によって本来の降水のpHは変わります。

4.日本における酸性雨の状況

  環境省では、昭和58年度から酸性雨の実態調査や土壌、森林への影響調査を実施しており、欧米並の酸性雨が見られることや、冬季に日本海側で酸性成分が増加する傾向にあることなどが確認されていますが、酸性雨による生態系等への影響は、現段階で必ずしも明確となっていません。

  なお、環境省では、「一般に酸性雨による土壌・植生、陸水等に対する影響は、長い期間を経て現れると考えられているため、現在のような酸性雨が今後も降り続けるとすれば、将来、酸性雨による影響が顕在化する可能性がある。」としています。
 また、東アジア地域では大気汚染等の深刻な環境問題を抱えつつ経済が急速に発展しており、酸性雨モニタリングを共通の手法で行うため、平成13年1月より東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)が中国等10か国(現在13か国)の参加により正式稼動し、国際的な取組みが行われています。

5.県の取組み

  石川県では、昭和58年度から酸性雨調査を実施しており、環境省とも協力しながら酸性雨の実態と影響の把握に努めていますが、これまでのところ、県内では酸性雨による環境への影響は確認されていません。

※酸性雨調査結果は、環境大気調査報告書をご参照下さい。

  しかしながら、環境省の調査では、日本海側での酸性成分の増加は、国内で排出された汚染物質だけではなく、大陸に由来することが示唆されています。
  このため石川県では、環境省に対し、国際的な取組の更なる強化を要望するとともに、酸性雨のような国境を越えた問題はそれぞれの国同士のみならず地域同士の相互理解と協力が必要であるため、石川県ではJICAと連携して本県の友好交流地域である中国江蘇省から技術研修生の受け入れや技術職員の派遣による技術指導を行ってきました。

お問い合わせ

所属課:生活環境部環境政策課 

石川県金沢市鞍月1丁目1番地

電話番号:076-225-1463

ファクス番号:076-225-1466

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