アタマジラミの豆知識～アタマジラミにご注意を！～

近年国内の保育所や幼稚園、小学校低学年の子供たちのあいだに、アタマジラミの発生が増加しています。アタマジラミは固有の病原体を媒介することはありませんがときに吸血にともなう痒みで皮膚炎など不快な症状を起こすことがありますので注意が必要です。

アタマジラミは不潔な生活習慣が原因で発生するものではありません。親の「不潔にしているからよ！」といった心ないひとことが子供のこころを傷つけることがありますので、正しい知識をもって根気よく退治してください。

 アタマジラミについて

• 大きさは雄で2～3ミリメートル、雌で2～4ミリメートル。卵から1週間で孵化。約3週間で3回脱皮して成虫に。成虫の寿命は1～1ヶ月半。雌の成虫は1日に約5個の卵を頭髪の根元付近に固着させて産卵。成虫、幼虫ともに吸血。
• 吸血による痒みをともうので、掻き傷からの細菌感染などのおそれがあるが、アタマジラミが固有の病原体を媒介することはない。
• 卵、幼虫、成虫ともに60℃以上の熱水5分で死滅。
• 頭髪と頭髪の接触が主な感染経路。集団の場、家庭での寝具、タオル、櫛、ブラシ、帽子、ロッカー等の共用で伝播することもある。
• 近年全国的に増加の傾向。12歳までのこどもが主な宿主。

 対策

• タオル、櫛、ブラシの共用の禁止。
• シーツ、枕カバーの熱湯（60℃以上）による洗濯とアイロン掛け。
• 頭髪の丁寧な検査と丹念な虫体と虫卵の除去（専用のすき櫛⇒.薬局で取り寄せ可）。

アタマジラミの駆除方法～ポイントは丹念に根気よく～

アタマジラミを駆除するための薬剤があります。
くすりはかかりつけの皮膚科医院や薬局の指示に従って、適正に使用してください。

 シラミにはどんなどんな種類があるの？

シラミはアタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミの3種に分類されます。シラミは住む場所に融通性がなく、アタマジラミはアタマの頭髪に、コロモジラミは衣服に、ケジラミは陰毛に寄生します。アタマジラミが衣服や陰毛に寄生することはありません。コロモジラミは危険な病原体（発疹チフスや塹壕熱など）を媒介しますが、アタマジラミにはこのような報告はありません。