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令和4年9月1日(木曜日) 14時00分~
よろしくお願いいたします。
令和4年度9月補正予算案がまとまりましたので、その概要を説明いたします。
現在、準通年型で編成された当初予算と、その肉付けを行った6月補正予算について、全力を挙げて執行を進めているところであります。
今回の9月補正予算については、6月補正予算編成後の情勢の変化や事業の進捗などにより、現時点で新たな対応が必要となったものについて編成を行ったところでありまして、以下、主な施策について説明をさせていただきます。
大きな1点目は「8月の豪雨災害からの復旧・復興」についてであります。
先月3日から4日にかけまして、小松市や白山市で観測史上最大となる24時間雨量を記録するなど、加賀地方を中心に、記録的な集中豪雨となりました。
また、先月16日から18日にかけて奥能登地方を中心に、20日から21日にかけて中能登地方・加賀地方を中心に、大雨警報や洪水警報が発表されるなど、各地で大雨となりました。
住宅の損壊や浸水被害のほか、河川、道路、農作物や農地、農業用施設、林道など、大変甚大な被害が発生しております。被害に遭われた県民の皆さまには、あらためてお見舞いを申し上げたいと存じます。
特に加賀地方を中心とした豪雨災害では、災害対策本部を設置し、自衛隊に災害派遣を要請するとともに、6市1町への災害救助法の適用による応急救助や、小松市への被災者生活再建支援法の適用による住宅再建への支援を行っております。
さらに、災害ボランティアの確保や農林漁業者や中小事業者を支援するための相談窓口の設置など、被災者の支援に全力で取り組んでおります。
そして、道路や河川など被災した社会インフラについては、速やかに応急復旧を実施しております。例えば、白山市吉野地区の国道157号など幹線道路に流出した土砂の撤去、小松市中ノ峠地区の滓上川(かすかみがわ)の護岸損壊箇所の応急復旧工事、輪島市門前町地内の人家裏の斜面に崩落した土砂の撤去などを完了したところであります。大雨により河川に流出した流木や海岸に漂着した流木についても、鋭意除去を進めております。
今回の大雨による全国各地の災害については、激甚災害に指定される見込みとされております。今後、国においては、本県が補助率かさ上げの対象になるかを判断するための災害査定を速やかに進めていただきたいと思っております。県としても一日も早い本格復旧に向けて全力で取り組んでまいります。
パワーポイント1ページ目をご覧いただきたいと存じます。
白山白川郷ホワイトロードについては、平成30年と令和2年に崩落した斜面の復旧工事を鋭意進めてきたところでありますが、今回の記録的な豪雨により、石川県側の無料区間のハライ谷付近において道路が崩落する被害が発生しました。現在、石川県側の起点から中宮レストハウスまでが通行止めとなっております。
このため、まずはですね、斜面崩落工事の関係者や中宮温泉関係者の往来の回復を図るため、通行止め区間の暫定復旧に向けた仮設道路の設置や安全対策工事に着手するとともに、今後の本復旧工事に向けた工法の検討を行うこととしました。
パワーポイント2ページ目をご覧ください。
今回のように想定を超える集中豪雨は、再び、いつどこで起こるか分かりません。今後に備えた防災・減災対策もしっかりと講じてまいります。
具体的には、今回の一連の集中豪雨を受けて、県下全域の河川を総点検したところ、新たに土砂の堆積が確認された38河川について、緊急的に土砂の除去を実施し、来年の出水期に備えることといたしました。
また、抜本的な治水対策である河川改修についても、国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を、これを最大限活用し、追加認証を得て県下全域で促進させてまいります。
今回の記録的な集中豪雨では、国管理の梯川本川に加え、その支川の県管理河川でも越水したほか、内水での被害や土砂災害も発生するなど、梯川の流域全体で甚大な被害となりました。
これまでの治水対策だけでは被害を防ぎきれない集中豪雨であります。県だけの取り組みでは限界があります。国が進める、流域全体の関係機関が一体となった防災・減災対策である「流域治水」の取り組みが重要であると改めて認識をしたところであります。
今回の災害について、国と県、小松市、能美市など梯川流域の関係機関からなる協議会において、その要因などを検証することといたしました。大雨時の出水状況や被害状況などを分析し、その検証結果をもとに、今後の災害防止対策や被害軽減策について検討を進めることとし、流域全体でのハード・ソフト両面にわたる対策を取りまとめます。
次は、被災した事業者や農業者の事業再建への後押しについて申し上げます。
パワーポイント3ページ目をご覧いただきたいと思います。
加賀地方を中心とした集中豪雨では、災害救助法の適用を踏まえた支援を国に要請した結果、中小企業支援の、いわゆる「5点セット」が適用され、商工会議所・商工会などに特別相談窓口が設置されるとともに、日本政策金融公庫の災害復旧貸付等が実施されております。
多くの被災事業者の方々から更なる支援を求める声をお聞きしており、県としても被災事業者の再建の取り組みをしっかりと後押ししてまいります。
まずは、事業者からの相談にきめ細かく対応していくことが重要です。そのため、事業者の経営課題やニーズに応じて適切な処方箋を提供する「専門家派遣制度」について、今回の集中豪雨で被害を受けた事業者は、無料で何度でも利用いただけることといたしました。
また、災害救助法を適用する大規模な災害であったことを踏まえ、金融面での資金繰り支援に万全を期すため、適用を受けた地域の被災事業者を対象に、信用保証料を軽減した低利の融資制度を創設いたします。
今回の豪雨災害は、激甚災害に指定される見込みであるものの、国による直接的な被災事業者の事業再建への支援については、現時点では適用が見送られております。
しかしながら、コロナ禍や原油・原材料価格の高騰という厳しい状況での被災であることを踏まえ、国が過去に局地激甚災害地域の事業者に行った支援と同レベルの手厚いメニューを県独自に創設し、国費も活用しながら、被災事業者の再建に向けた生産性向上や販路開拓などの前向きな取り組みを支援することといたしました。
次にパワーポイント4ページに移ってください。
農作物や農業機械にも大きな被害が生じております。被災した農家の皆さんの今後の営農継続が強く懸念される状況となっております。
このため、県選出国会議員の皆さんとともに、国に対し支援を強く求めているところでありますが、被災農家の厳しい状況に鑑み、国の支援を待つことなく、県独自にハード・ソフト両面で緊急的な支援策を講じることといたしました。
具体的には、被災した農業機械の再取得・修繕に係るハード支援については費用の2分の1を支援します。追加的な施肥など、野菜の生育回復などに係るソフト支援については費用の3分の2を支援します。農家の皆さんに安心して資金の目途を立てていただくことで、営農再開を強力に後押ししてまいります。
大きな2点目は、「6月の能登地方を震源とする地震からの復旧・復興」についてであります。
最大震度6弱を記録した地震により、住宅の損壊や道路、河川、農地などに甚大な被害が発生し、改めて被害に遭われた県民の皆さまに対して、心からお見舞いを申し上げます。
現在、既に応急復旧を講じたところであります。今後とも、被災市町など関係機関と連携して、早期の本格復旧・復興に全力で取り組んでまいります。
また、先程申し述べた、集中豪雨により被災した事業者への支援メニューのうち、「専門家派遣制度」と「前向きな取り組みへの支援」については、今回の地震で被災した事業者も対象とすることとしました。事業再建に向けた取り組みをしっかりと支援してまいります。
大きな3点目について申し上げます。大きな3点目は、「新型コロナウイルス感染症対策」についてであります。
現在、感染力が極めて強いオミクロン株BA.5の影響により、かつてない規模・スピードで感染が急拡大しております。新型コロナウイルス感染症は未だ収束が見通せない状況であります。
幸い重症者は少ないものの、病床使用率は5割以上の日がほとんどであり、また、一部の発熱外来では大変な混雑により受診しにくい状況も見られます。予断を許さない状況が続いております。県としても、医療機関のご協力をいただいて、病床を最大504床まで拡大し、患者の受入れに万全を期しております。
また、発熱外来が逼迫しないように、休日当番医の拡充や抗原検査キットで自己検査いただける体制を整えたほか、重症化リスクの低い無症状の方が自己検査で陽性となった場合、医療機関を経ずに自宅療養ができるように、「陽性者登録・フォローアップセンター」を設置することとしております。これは早急に準備を進めます。
さらに、当初予算では、昨年の第5波の実績をもとに、年3回の波に対応した予算を計上しておりますが、第6波以降の想定を大きく超える感染拡大を踏まえて、今回、検査体制や自宅療養者の健康管理体制の確保など、現時点で不足が見込まれる予算を追加計上することといたしました。
今後ともですね、病床使用率等のデータに敏感になりながら、アドバイザーの皆さんの意見もお聞きし、適時適切に必要な対策を講じるなど、機動的に対応してまいりたいと思います。
大きな4点目は、「コロナ禍や原油価格・物価高騰などにより厳しい状況にある事業者への支援と将来の成長に向けた後押し」についてであります。
先の6月補正予算では、「新型コロナウイルスの影響の長期化への対応」と「原油・原材料価格のさらなる高騰への対応」の二つの側面から経済対策を講じたところであり、現在、全力をあげて執行を進めております。
しかし、いわゆる第7波による感染拡大の影響に加えて、原油・原材料価格の高止まり、さらには、電力料金の急激な値上げ、最低賃金の大幅な引き上げなど、幅広い業種への影響が懸念されております。
こうした状況を踏まえて、厳しい状況にある事業者の回復をしっかりと後押しするために、きめ細かな対策を講じてまいります。
まず、コロナ禍で厳しい状況にある事業者への支援については、先の6月補正予算で、国の事業復活支援金に上乗せする形で、全国トップクラスの支援金を更に手厚く充実させたところでありますが、実は想定を上回る申請をいただいていることから、所要の補正を行うことといたしました。
また、コロナ禍で落ち込んだ飲食需要の喚起については、現在、本県独自に「石川県民飲食店応援食事券」を75万冊発行し、総額90億円の飲食の需要喚起を図っております。しかし、今般の第7波の感染急拡大により、飲食店の来店者数が落ち込み、食事券の販売も伸び悩んでおります。
厳しい状況にある飲食店を引き続き支援するため、また、県民の皆さんに安心して食事券をご利用いただくためにも、9月末までとしていた販売・利用期限を12月15日まで延長することとしました。
これによりまして、総額90億円の需要喚起効果をしっかりと発揮させていきたいと思います。
事業者の資金繰り支援については、6月補正におきまして、新型コロナウイルス感染症緊急特別融資、いわゆるゼロゼロ融資を対象とした、融資期間15年以内の借り換え融資制度を創設いたしました。
しかし、コロナ禍に加え、原油・原材料価格の高騰が続いており、企業によってはゼロゼロ融資以外の債務の返済についても借り換えしたい、こういう声が強くなっております。
このため、新たに、原油・原材料価格の高騰により、粗利益が減少した事業者に対し、ゼロゼロ融資以外の企業債務を対象とした、融資期間15年以内の、新たな借換制度を創設することといたしました。ご利用いただきたいと存じます。
また、燃料費の価格調整制度により、6月以降、電力料金の負担が急激に上昇しており、さらに来春に向けて、事業者向け電力料金の値上げも検討されております。
企業の省エネ設備の導入については、当初予算に続き、6月補正でも支援したところでありますが、企業がさらなるコスト高に対応するとともに、社会全体のグリーン化を推進していく上でも、産業部門における省エネへの取り組みが不可欠であることから、極めて異例の措置ではありますが、再度の追加募集を行うこととし、企業の省エネ化を強力に後押ししてまいります。
最低賃金につきましては、国の審議会において現行制度となって以降、過去最高となる30円の引き上げが答申されました。10月から適用されるところでありまして、厳しい経営環境の中でも、賃上げに取り組む県内中小企業をしっかりと支援していく必要があります。
具体的には、まず先ほども申し述べた、専門家派遣制度について、賃上げを実施する企業に対しても無料派遣の回数上限を撤廃することとし、何度でも無料でご利用いただけるように派遣枠を拡大します。
また、最低賃金を引き上げる事業者が、生産性向上に向けた設備投資等を行う場合に、国が助成する業務改善助成金に、県独自で上乗せをして支援を行うこととしました。
パワーポイントの5ページをご覧ください。
次は、中小企業庁などとの連携協定による伴走支援体制の強化についてであります。
本県では、事業者が厳しい状況にある中、これまでも、事業者に寄り添ったきめ細かな支援、いわゆる「伴走支援」の充実に取り組んできております。
具体的には、商工会・商工会議所、中央会、信用保証協会、ISICOといった支援機関の職員の資質の向上に様々な研修の機会等を通じて取り組んでおり、例えば、商工会の中小企業診断士の資格取得率は35.4%で全国トップとなっております。ちなみに全国平均は、5.1%であります。商工会議所の全国平均は4%、石川県は12.8%であります。
企業からの様々な相談にきめ細かく対応するため、コロナ禍を機に県の専門家派遣制度を大幅に拡充してまいりました。加えて、先の6月補正では、商工会・商工会議所の体制強化も図ったところでありますし、かねてから要望をいただいておりました、職員配置の補助基準を緩和したところでもございます。
今まさにですね、新型コロナ、原油価格・物価の高騰に加えて、デジタル化・グリーン化など、事業者の経営課題が高度化・複雑化する中、事業者の相談に応じる専門家の質・量の充実、支援機関の職員の更なる資質向上など、事業者に寄り添った「伴走支援」の一層の強化が求められていると認識しております。
こうした中、中小企業庁では、本県の「伴走支援」の取り組みを高く評価いただき、昨日、全国初となる「伴走支援」に関する連携協定を締結し、全国のモデルとなるような効果的な取り組みを実施していくことで合意したところであります。
この協定に基づいて、国・県双方の施策やノウハウを伝える事業者向けのセミナーや、国の豊富な人材情報を活用した高度な専門家の派遣、支援機関職員の更なる資質向上などに取り組むこととし、早速、今般の補正予算に所要の経費を盛り込みました。
これらの取り組みを通じて、厳しい状況にある事業者への支援はもとより、将来に向けた成長への後押しもしっかりと図っていきたいと思います。
パワーポイント6ページをご覧ください。
農業や畜産業については、ウクライナ情勢などにより、肥料や飼料価格が高騰し、経営を圧迫しております。生産者やJAからは相次いで支援を求める多くの要望が寄せられています。
こうした価格高騰は全国的な課題であり、また、これらの原料を輸入に頼る我が国にとりましては、一過性のものではなく構造的かつ中長期的な課題であることから、本来、国において恒久対策を講じるべきと考えており、7月の全国知事会で強く求めたところであります。
しかしながら、現下の厳しい状況を乗り切るには、緊急的な対応が必要との判断から、県独自に、前例のない規模の肥料および飼料の価格高騰対策を講じることといたしました。
まず、肥料については昨年比で価格が6割以上高騰しております。先般、国は、農家負担軽減のため、予備費を活用し、肥料価格上昇分の70%を支援する緊急対策を措置したところであります。
しかし、本県農業の大宗を占める米農家は、新型コロナの影響による米価下落で所得が大きく減少するなど、厳しい状況に置かれています。
このため、今後、園芸用の秋用肥料や、来春の水稲用肥料の購入時期を迎える農家が、安心して営農継続できる環境を整えるため、国制度では支援されていない、残る農家負担分30%のうち、半分の15%を県独自に上乗せ支援いたします。
また、価格高騰の長期化に備え、中長期的には化学肥料の使用量を低減するなど、環境に配慮した農業に転換していくことが重要です。
このため、園芸用化学肥料の低減技術の実証や、鶏糞堆肥の活用に向けた調査、さらには肥料としての効果を有する地力増進作物(ちりょくぞうしんさくもつ)の作付け支援など、今後を見据えて、環境保全型農業を推進するための事業を積極的に盛り込んだところであります。
また、飼料についても、価格上昇前の令和2年と比べて、価格が約5割上昇しており、国の価格安定制度による補填後でも、実質的な農家購入価格は約25%上昇しております。
畜産農家は、生産コストに占める飼料代の割合が高いという特徴がありまして、経営環境はかつてない深刻な状況となっています。
このため、畜産農家への緊急的な支援として、配合飼料の購入価格上昇分の2分の1を県独自に補填することとしました。
また、安価な飼料用米や稲を発酵させた粗飼料(そしりょう)、稲WCSと言いますけども、これを家畜の餌として活用することは、県内畜産農家のコスト削減につながるだけでなく、栽培農家にとっても労力面や価格面でメリットがあると考えております。
このため、飼料価格高騰の長期化に備えた中長期的な対策として、配合飼料の県産飼料用米への一部代替に向けた畜産農家の取り組み、また、稲作農家の粗飼料の県内生産拡大など、いわゆる「耕畜連携」を推進し、持続可能な畜産農家の経営体制の応援をしていきたいと思います。
大きな5点目は、「石川の将来の飛躍・発展に向けた取り組み」についてであります。
小松空港は、国管理空港であるとともに、自衛隊との共用空港であることから、第二滑走路の必要性について、まずは国において調査を実施するよう、先月18日に、私自ら、浜田防衛大臣、豊田国土交通副大臣、および宮本財務大臣政務官に要望してきたところであります。
県としても、想定される各空港施設の配置案や整備に係る概算費用など、基礎的な調査を行いたいと考えております。今般、必要となる予算を計上し、年度内には調査結果を取りまとめたいと存じます。
パワーポイントの7ページをご覧ください。
今月中に改定する県の環境総合計画については、国の削減計画を踏まえ、2030年度の温室効果ガス削減目標を、2013年度比で、現行のマイナス30%からマイナス50%に大幅に引き上げることといたします。
この目標の達成に向けては、全国に比べ温室効果ガスの排出割合の高い家庭部門や運輸部門において、本県の特性を踏まえた取り組みが不可欠であり、6月補正予算では運輸部門への手立てを講じたところであります。
家庭部門においては、本県は、日照時間が短いというイメージが先行し、太陽光発電の設置が進んでいないことに加えて、住宅の面積が全国と比べて広く、寒冷地で高い断熱性能が必要で、建設コストが嵩むこともありまして、エネルギー収支がゼロとなる、いわゆるZEH(ゼッチ)住宅の普及率は全国平均を大きく下回っております。ちなみに、日照時間ですが、全国平均は1,990時間、石川県は1,896時間となっております。
まず、太陽光発電設置率は、全国平均が4.1% 石川県は2.7%になっております。ZEH、いわゆる省エネと創エネによって、年間のエネルギー収支がゼロとなる住宅のことですが、このZEH住宅の普及率は、全国平均が24%、石川県は14%で43位。
そこでですね、今般、県民の皆さんの、省エネや創エネの理解促進を図るため、ゼロエネ住宅アドバイザーを新たに育成するほか、築後10年以上が経過した「いしかわエコハウス」をZEH化し、最先端の省エネ・創エネのモデルハウスとして機能強化を図ることといたしました。
さらに、ZEHの新築や、省エネ効果の高い窓など開口部のリフォームを対象に、国の制度に上乗せした支援制度を創設し、省エネ住宅の導入を後押ししたいと思います。
ZEHのみならず、Nearly ZEH(ニアリー ゼッチ)、ZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド)まで対象とするのは、日本海側では初めてであり、全国でも4県目の手厚い内容となったものと考えております。
加えて、県自らが率先して温室効果ガス削減に取り組むため、「県庁グリーン化率先行動プラン」の削減目標について、国の削減目標の50%を上回る60%に引き上げるとともに、太陽光発電の多角的利用に向けて、路面型の太陽光発電の導入について検討することとしました。
「温室効果ガスの削減目標」の改定に目処が立ち、今回の補正予算により、その達成に向けた「本県の特性を踏まえた施策」も揃ったことで、石川県として、いわゆる「カーボンニュートラル宣言」を行うこととしたものであります。
次へ行きます。トキの放鳥受入については、先月5日に、能登地域が放鳥候補地として選定されました。ありがとうございます。
令和8年度以降に予定されております、放鳥の実現に向け、まずは、必要となる具体の取り組みを洗い出し、その内容や時期などをまとめたロードマップを策定するとともに、トキの餌となる生き物の生息環境調査に着手いたします。
また、トキの餌場の確保には農業者の理解が不可欠であることから、JAと連携し、餌場となる水田において、能登地域の4市5町にモデル地区を設置し、年内に予定されている国の協議会の設置を待つことなく、JAや市町の熱い思いを受けて、出来ることから取り組むことといたしました。
一日も早くトキが野生下で生息していた半世紀前の良好な自然環境を取り戻し、次の世代に継承していくため、県民の皆様と一丸となって、しっかりと取り組んでまいります。
今回の一連の取り組みをきっかけとして、本県の環境政策の指針である「ふるさと石川の環境を守り育てる条例」を改正し、県民をはじめ県、市町等が密接に連携しながら、カーボンニュートラルの推進や、トキなどの希少な野生の動植物が生息・生育できる自然環境の再生・保全に取り組むことを改めて明記することといたしました。
次に行きます。デジタル社会の実現に向けて、私としては、行政分野はもとより、産業や福祉、教育などあらゆる分野において、デジタル化を一気に加速させていく必要があると考えております。
こうした中、県内の市町においても、様々な分野でデジタル化の取組みが進んでおります。例えば、マイナンバーカードの交付率が全国トップレベルであったり、医療・介護連携の取り組みが国から高い評価を受けていたり、あるいは官民が連携してデジタル交通サービスを実施している自治体など、全国的にみても先進的な取り組みが進められております。
その一方で「デジタル化を担当する職員が少なく、取組みを進められない」、「職員の意識改革が遅れている」、「1つの自治体だけでは地域課題の解決は困難」、こういった課題を抱えている自治体もあると承知をしております。
県全体のデジタル化を進めていくには、組織トップの理解を深めるとともに職員の意識改革も重要と考えておりまして、また、広域的な課題解決には県と市町が連携して取り組む枠組みが必要であることから、今般、知事と県内市町の首長で構成する「石川県デジタル化推進会議」を設置することとしました。
国が進める社会全体のデジタル化の意義や方向性、先進的な自治体の取り組みなどの情報共有を図るとともに、民間の知見も取り入れて、県と市町が連携・協力しながら県全体のデジタル化やデジタル技術を活用した好事例の横展開を強力に推進していきたいと思います。
次に、自転車の利用者が加害者となる事故が後を絶ちません。全国で高額賠償が請求される事案が発生しております。
このため、自転車損害賠償保険の加入義務化など、自転車の安全で適正な利用に関する条例の制定に向け、交通安全に関する学識者や団体等で構成される懇話会を設置し、関係者や県民の声を伺いながら、早ければ12月議会での条例提案を視野に作業を進めていきたいと存じます。
以上が今回の補正予算の概要でありまして、一般会計補正総額は、217億5,200万円余、累計では6,324億6,500万円余となりました。
冒頭、私から、9月補正予算について、報告をさせていただきました。
ではこのあと、質疑応答の方、よろしくお願いいたします。
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