ドラッグについて2
MDMA・MDA
- MDMA・MDAは合成麻薬(化学薬品から合成された麻薬)の一種で、「麻薬及び向精神薬取締法」の規制の対象になっています。
MDMAは、別名エクスタシーとも呼ばれ、白色結晶性粉末ですが、一般的には、錠剤又はカプセルの形で密売されています。
MDAは、別名ラブドラッグとも呼ばれ、白色粉末ですが、その純度によって黄色や茶色のものがあり、まれに琥珀色のものもあります。
- MDMA・MDAの薬理作用は類似しており、視覚、聴覚を変化させる作用があり、幸福な気分になったり、他人に対する近親感が増したりするといわれていますが、その反面、不安不眠等に悩まされることになります。
また、強い精神的依存性を持っており、乱用を続けると錯乱状態になり、腎・肝障害や記憶障害等の症状も現れます。
LSD
- LSDは、合成麻薬の一種で、「麻薬及び向精神薬取締法」の規制の対象とされ、形状には、錠剤、カプセル、ゼラチン、水溶液を染み込ませた紙片等があります。
LSDを使用すると、幻覚、幻聴、時間の感覚の欠如等強烈な幻覚作用が現れます。特に幻覚作用が強く、ほんのわずかな量だけで、物の形が変形、巨大化して見えたり、色とりどりの光が見えたりする状態が8~12時間続きます。また、乱用を続けると、長期にわたって精神分裂等の精神障害をきたすこともあります。
向精神薬
- 向精神薬は、中枢神経に作用して、精神機能に影響を及ぼす物質で、その薬理作用によって、鎮静剤系と興奮剤系に大別されます。
向精神薬は医療目的に開発されたもので、医師の指示もなく乱用された場合、心身に様々な障害を及ぼすなどたいへん危険なため、その不正取り引きは「麻薬及び向精神薬取締法」により規制されています。最近では、タイからの大量密輸入事犯が目立っています。
シンナー等の有機溶媒
- シンナーとは塗料を薄めるために使用される有機溶剤のことをいい、トルエン、接着剤、塗料、充てん料とともに「毒物及び劇物取締法」により、その乱用等が規制されています。
シンナー等は、依然として少年を中心に乱用されています。
- シンナー等有機溶剤を乱用すると、神経が抑制されてぼんやりとし、酒に酔ったような感じになります。乱用を続けると、集中力、判断力が低下し、何事にも無気力になるほか、幻覚、妄想などの精神障害が現れます。
また、身体に与える影響も大きく、心臓、肝臓、腎臓、呼吸器系、生殖器官系等の各種器官に障害が起こります。特に恐ろしいのは、乱用によって大脳が萎縮し、一度破壊された脳の働きはたとえ乱用をやめても決して元に戻らないことです。
さらに、過度に吸入した場合には、呼吸中枢が麻痺すること等により、窒息死することもあります。
マジックマッシュルーム
- かつては、観賞用と称して、インターネットやアダルトショップなどで販売されていましたが、サイロシビンやサイロシン(シロシビンやシロシンともいいます。)とい麻薬成分を含むきのこ類が麻薬として規制されました。
輸入、輸出、栽培、譲り受け、譲り渡し、所持、施用、広告といった行為は麻薬及び向精神薬取締法違反になります。
- マジックマッシュルームとは、幻覚作用を起こすキノコの俗称です。
いわゆる毒キノコの一種で、乱用されているのは、主に、キノコを乾燥させたものです。
マジックマッシュルームに含まれる麻薬成分のサイロシビンやサイロシンは、中枢神経系に作用し、中枢神経の興奮や麻痺、幻覚を起こします。主な症状は幻覚、酩酊状態、狂乱、発熱などで、食べてから15~60分後に現れます。
食べた後、2週間から4ヶ月後に、飲酒やストレス、睡眠不足、他の薬物の服用などによって幻覚などの精神症状が再び現れる「フラッシュバック現象(再燃現象)」が起こることがあります。
乱用を続けると、マジックマッシュルームだけでは満足できず、覚せい剤や大麻など他の薬物の乱用につながるおそれがあります。
写真提供=東海北陸厚生局麻薬取締部
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