能登地域半島振興計画の概要(平成28年2月23日最終変更)
詳細な計画(PDF:1,103KB)
「活気とうるおいのある個性的な地域づくりをめざして」
国際化や人口減少時代の到来、多様な主体による連携や個性的な文化の創造などという時代の潮流を的確にとらえ、地域の特性を理解しながら、歴史や自然、伝統工芸など地域の資源を活かした取り組みにより、交流人口の拡大や地域の活性化、定住のための総合環境の整備を推進し、令和7年の本地域における社会増減率が平成26年を下回らないよう、社会減に歯止めをかけることを目指しながら、活気とうるおいのある個性的な地域づくりを目指す。
1 地域の現状及び課題
(1)地域の現状
- 人口減少が続いて(過去10年間で7.6%減)おり、今後も、この傾向は続くと予想(今後10年間で11.3%減)されており、特に北部地域での減少は著しいもの(過去10年間で15.5%減、今後10年間で19.6%減)となっている。
- 年齢別人口の構成でも、少子化(過去10年間で2.0ポイント減)、高齢化(同5.7ポイント増)が進み、生産年齢人口も減少(同3.7ポイント減)している。
- 第1次産業から第2次産業へ、第2次産業から第3次産業へのシフトは進んでいるが、全国平均と比較して、第1次産業(能登6.8%、全国4.2%)、第2次産業(能登30.8%、全国25.2%)の割合が高くなっている。
- 平成26年の観光入込み客数は延べ902万人、うち宿泊客数は184万人となっており、やや減少傾向となっている。
- のと里山空港、のと里山海道の無料化、能越自動車道七尾氷見道路の全線開通、平成27年3月の北陸新幹線金沢開業により、大都市圏との間で高速交通体系の整備がなされた。
(2)地域の課題
- 高速交通体系の整備
- 高等教育機関の充実と都市的環境の整備
- 地域産業の活性化との農林業の持続
- 地域特性の理解と地域資源の活用
2 地域の重点施策
(1)交流が盛んな特色ある地域づくり
- 交流人口の拡大を支える交通基盤として、能越自動車道の整備、のと里山海道の4車線化整備を促進する。
- 北陸新幹線と航空の連携による広域観光の促進や、世界農業遺産「能登の里山里海」、日本遺産「能登のキリコ祭り」等を活用した観光振興を図り、交流人口の拡大を目指す。
(2)個性を活かした文化と学術の地域づくり
- 高等教育機関による地域の活性化や教育・研究活動を推進、学生と地域の交流促進を図る。
- 伝統芸能や伝統工芸、食文化、地域固有のふるさと文化の継承・発展を図るとともに演劇、美術等の創造活動を支援し、個性と魅力に溢れる文化の創造と発展を目指す。
(3)自律した持続可能な地域づくり
地域と都市等との連携・交流を進め、交流人口の拡大や移住・交流居住の促進等により、様々な世代の参画を得ながら中山間地域を含む過疎地域などの集落の活力確保を図る。
(4)競争力のある元気な産業づくり
- 新商品開発による新規需要の創出、戦略的な企業誘致のほか、港湾の利活用促進、本地域の産業を支える人材の総合的育成・確保を図る。
- 本地域の立地環境の優位性を活かし、本社機能の誘致を含めた戦略的な企業誘致を進める。
(5)魅力ある産業としての農林水産業づくり
- 担い手の育成につながる農地整備を推進したりするほか、企業の農業参入を促進する。
- 県産食材のブランド化、販路開拓、需要に即した競争力のある産地づくりを推進する。
(6)安全でうるおい豊かな環境づくり
世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」などの多様な自然環境の保全に努める。
(7)みんなで支える安らぎのある社会づくり
- 人口減少に歯止めをかけるべく、いしかわエンゼルプラン2015やかがやけとやまっ子みらいプランを推進する。
- 高齢者が安心して暮らしていけるよう、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援サービスが連携し、切れ目なく提供される「地域包括ケアシステム」を構築する。
(8)未来を拓く心豊かな人づくり
変化する社会の中で新たな価値を創出し、社会の各分野を牽引していく人材を育成する。
3 地域の有する資源とその活用
(1)地域の有する資源
- 歴史
縄文文化を代表する真脇遺跡、戦国城郭である七尾城 など
- 自然
白米千枚田に代表される農山漁村の原風景や多様な生物資源など世界農業遺産に認定された能登の里山里海 など
- 伝統工芸
輪島塗、七尾仏壇、珠洲焼、能登上布、七尾和ろうそく など
- 交通基盤
のと里山空港、能越自動車道、のと里山海道、七尾港、IRいしかわ鉄道、JR七尾線、のと鉄道 など
- 自然資源
珪藻土、海洋深層水 など
- 観光資源
和倉温泉、輪島朝市、揚げ浜塩田、千里浜なぎさドライブウェイ、日本遺産に認定されたキリコ祭りなど各地の祭り、氷見のきときとの食文化(氷見の寒ぶり、氷見牛等) など
- 発酵食品
魚醤(いしる)、酒 など
(2)地域資源の活用の方策
これらが、「地域資源」であることを認識し、認知度の向上を図るとともに、有機的に活用・連携することにより交流人口の拡大を図り、地域の活性化へとつなげていく。
- 商工業の振興
輪島塗や能登珪藻土、「いしる」や揚げ浜塩といった豊富で特色ある地域資源のブランド化や、それらを活用した新商品開発を促進する。
- 観光の開発
日本遺産に認定された能登のキリコ祭りを活用した観光の振興を図るほか、グリーン・ツーリズムを推進するため、農家民宿の普及・拡大にむけた開業講座の実施やネットワーク化を図る。
- 地域文化の振興
伝統芸能や伝統工芸、食文化などの優れた文化を県民共通の財産として次代に継承し、さらなる発展につなげていくとともに、個性豊かな歴史と文化を物語る文化財を積極的に活用し、全国への情報発信を進め、地域の更なる活性化、発展に取り組んでいく。
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