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平成30年(2018年)から起工した、鼠多門・鼠多門橋が令和2年(2020年)7月18日に完成しました。
鼠多門は、金沢城の西側の郭である玉泉院丸に位置し、木橋(鼠多門橋)により接続される金谷出丸(現在の尾山神社境内)からの出入口として機能していました。
石垣の間に設けられた大扉の上に櫓が作られる櫓門形式の城門で、屋根は木型を鉛板で覆う鉛瓦、外壁は白漆喰塗りで腰壁には海鼠壁が用いられていますが、海鼠壁の目地が黒漆喰で仕上げられることが、城内の他の門には見られない特徴です。
鼠多門橋は、玉泉院丸と金谷出丸を隔てる水堀に架かる城内最大規模の木橋で、幾度かの架け替えを経て明治期まで存在していました。
「金沢城内等写真」 金沢市立玉川図書館蔵
平成26年(2014)から実施した埋蔵文化財調査や絵図・文献調査の結果に基づき、鼠多門は史実に沿った木造による復元 、鼠多門橋は現在の安全基準等を満たす鋼構造とし、城郭景観と調和を図るため鋼材を木材で覆う仕上げとしています。橋下部は遺構を保護するため杭基礎とせず、基礎コンクリート盤と橋脚・鋼床版を一体的に剛結する構造とすることで耐震性を確保しています。
また、橋の高さについては車道上空の高さを確保するため、江戸期に比べ尾山神社側を約2m高くしています。この高低差を解消するため、橋に接続する木製スロープを新たに設置していますが、江戸期には存在しなかった施設であることを明確にするため、材料や意匠、塗装仕上げについては、現代的なものとしています。
櫓門、入母屋造 木造2階建て(門部分地階)
桁行 22.03メートル 梁間7.35メートル
建築面積 198.62平方メートル
延床面積 323.84平方メートル ( 1階 162.92平方メートル 2階 162.92平方メートル )
建物内は無料で入館いただけます。
また、階段昇降機を設置し、バリアフリーにも対応しています。
A1~P3 : 4径間張出し式鋼床版ラーメン構造
P4~P5 : 鋼床版ラーメン構造
P6~P7 : 2径間張出し式鋼床版ラーメン構造
橋長32.6m、全幅5.5m、有効幅員4.3m
木製高欄、木床板、鋼材は木板により化粧
使用木材 能登ヒバ
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